おぼん・こぼんは結成54年のベテランコンビ。見届人のナイツの塙宣之いわく、「仲の良い悪いを繰り返し、今は一番悪い時期」のようだ。おぼん・こぼんに限らず、ベテランの不仲芸人は少なくない。ほかには誰がいるだろうか。
「よく知られているところでは、オール阪神・巨人がいますね。コンビ歴40年以上を超えるベテランです。現在は関係性は回復しているようですが、もともと巨人が阪神の5歳年上で芸歴も長く、人間性も真面目な巨人に対し阪神は浪費家のため、阪神にあれこれ注意をするため衝突していたようです。コンビ結成10年目に大きな喧嘩をし、それ以降は口もきかない間柄となりました。ただ、阪神が私生活で離婚を経験し、どん底だった時に巨人が支え、その後巨人が肝臓の病気を患うと逆に阪神が支えることで信頼を回復してったようです」(芸能関係者)
オール阪神・巨人の場合は、ある意味では芸人として理想的なシナリオを歩んできたといえるだろう。一方で不仲のまま、相方の病気をきっかけにコンビ解散に至ってしまった例もある。
「漫才ブーム時代に頭角を現し、ビートたけしのツービートのライバルともいわれた星セント・ルイスは、コンビ仲が悪いことで有名でした。2002年にセントに肺がんが見つかり入院するも、相方のルイスが見舞いに来ないことに激怒し、2003年にコンビを解消します。ただ2004年にセントが56歳の若さで亡くなると、ルイスは『本当に嫌なヤツだったがかけがえのない相方だった』と号泣し追悼しています。そのルイスも2005年に56歳で同じ病気で亡くなっています」(前出・同)
むしろ昔の芸人は、必要以上に馴れ合わないのが美徳でもあったといえる。萩本欽一と坂上二郎によるコント55号も私生活は一切干渉せず、飲み屋などで鉢合わせをした場合はあとから来た方が身を引いていたという。これも芸人のひとつの生き方といえるかもしれない。