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一軍デビュー目前 吉田輝星ができなかったオトナの投球

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 伸びしろは十分あるということか…。

 昨夏の甲子園ヒーロー、吉田輝星(18=北海道日本ハムファイターズ)が、一軍デビューへの最終調整とされていた6月4日のマウンドで「課題」を残してしまった。

 イースタンリーグ・巨人戦に先発し、3回を投げて、被安打6、失点6。二軍首脳陣が予定していたとされる「90〜100球」まで持ちこたえられず、71球で降板となった。

 吉田が反省の弁を述べ、テレビ中継を遠征先で見ていた一軍の栗山英樹監督(58)が「いいものも感じられた。悪いものも感じられた。ちょっと考えます」と”含みのある言い方”をしたのは、既報通り。12日の対広島戦での一軍デビューが有力視されている。栗山監督のコメントを額面通りに受け取ると、一軍昇格が実現するのかどうか分からなくなってしまった。

 「巨人先発の高田萌生(20)も3イニングで降板していますが、こちらは予定通りといった感じ。変化球を内外角のコーナーギリギリに散らし、勝負どころで力強い真っすぐを使い…。吉田は変化球でストライクを取れなかった」

 ネット裏に陣取っていた他球団のスコアラーがそう評していた。

 高田はプロ3年目、創志学園のエースとして甲子園大会のマウンドを踏んだ。2年上とはいえ、キャリアの差が出たようだ。その高田も近く、一軍に昇格すると伝えられており、吉田同様、この日は昇格に備えての調整登板だった。力勝負でストレートを投げ込む吉田と、変化球を織り交ぜた高田のオトナのピッチング。現時点では新人と3年目の「差」は否めない。しかし、吉田がその差を埋めるのはそう遠い日の話ではないようだ。

 日本ハム関係者によれば、吉田は先発試合の2日前(2日)、実戦をイメージしたブルペン投球を行ったそうだ。

 「フォークボールも投げさせましたが、これはまるでダメ。ホームベースの前でワンバウンドしてしまいました。スライダー、カットボールも投げさせましたが、この時点で二軍首脳陣は4日の結果を予想していたみたいでした」

 吉田はスライダー、カットボールに手応えを感じていたそうだ。評価が分かれた理由が興味深い。吉田は変化球を低めに集めようとしていた。その日は低めに投げ込むことができたそうだ。しかし、首脳陣は「低めに」と的を絞った後、その軌道が変わったことを見逃さなかった。首脳陣は4日の登板で失敗し、そこで「このままではダメだ」と思うだろうと予想したそうだ。高校時代は自慢のストレートで押し切ることができたが、プロの世界ではそれだけでは通用しない。「一軍で活躍するには何が必要なのか分かればいい」というのが、二軍首脳陣の判断だった。

 「吉田は『感覚』で投げています。変化球の握り方、力加減でどう変わるのか、知識として習得していません」(前出・関係者)

 4日の試合後、吉田は取材陣の要請に応じ、反省のコメントを出している。

 「今日に関しては悪いところしかない。次の登板までに修正したいと思います」

 自分のピッチングを客観的に語っていた。二軍首脳陣の考えた通り、吉田の育成は次のステージに進むことになるだろう。

(スポーツライター・飯山満)

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