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ひきこもり・いじめ・ヤンキー全てをさらけ出すタブーなきギター女子「ななみ」…

 シンガーソングライター・ななみが話題になっている。彼女は大分出身の22歳。いじめ、不登校、非行など、普通は人に言いたくないことも赤裸々に語る。

 そのスタイルが支持され、彼女のことを紹介したまとめ記事が10万PVを突破し、安井レイ、岡田恋奈、飯泉吏南といった感受性豊かなモデルからも絶賛された。

 ななみが2013年7月にインディーズからリリースした楽曲「愛が叫んでる」は、のちにメジャーデビューシングルの表題曲となった。「愛が叫んでる」のPVはいじめをテーマに制作されたが、これは彼女の実体験がベースになっている。ななみは中学時代にいじめにあっていた。入学式の前に上級生に脅されたり、机の中にゴミを入れられたり…。そこに両親の離婚という事件が加わり、彼女は引きこもりになる。「なぜ自分だけがこんな目に遭うんだろう?」という思いの中、彼女は生きているのに生きていないような感覚で約半年をひたすら自室で過ごした。

 そんな変化のない日々を動かしたのは音楽だった。初めはYouTubeやニコニコ動画で好きな曲を何気なく聴いていた。だが音楽は徐々にななみの心を動かした。好きな曲がななみに希望を与えてくれた。そして自分も歌を歌いたいと思えるようにまでなった。そしてななみは母のサポートの下、中学時代の後半から歌手を目指す。

 もちろん順風満帆なスタートではなかった。歌手を目指しているのがクラスメートにバレるとからかわれた。「愛が叫んでる」のPVのようないじめも経験した。しかし彼女は「今に見てろ」と負けなかった。たくさんのオーディションに参加してたくさん落ちた。だがオーディションは楽しかった。審査員から評価されたからだ。学校生活ではほとんど得られなかったものを音楽に見出すことができた。

 また彼女自身もまっすぐに音楽の道には進めなかった。音楽活動を優先するため高校進学をしなかったことで、徐々に非行に走ってしまう。17歳頃になると地元のコンビニで毎晩のように不良仲間とたむろした。家に帰らないことも多かった。そんな不規則な暮らしを続けていたことで、ななみは身体を壊してしまい約1か月の入院を余儀なくされた。もともと集団行動が苦手な彼女は当初病院の大部屋暮らしになじめなかった。同室のさまざまな年代の女性たちともできるだけ関わり合いを持ちたくなかった。だが命のやり取りを日常的にする病院という空間は、彼女に気づきを与えた。不登校になった、ヤンキーになった、それらはすべて現実から逃げたかったからだ。しかし逃げ場があったからこそ、自分は生きることができた。自分が歌う意味はそこにあると思った。自分が誰かの逃げ場になれるなら。いじめ、両親離婚、引きこもり、不登校、非行…、自身のすべての行いも過ちを受け入れよう、そう思えた。退院する頃には大部屋での入院生活も苦にならなくなっていた。

 2014年10月のメジャーデビューから約1年半。彼女は4月3日から放送されるTVアニメ「機動戦士ガンダムユニコーンRE:0096」のエンディングテーマ「Next 2 U-eUC-」にゲストヴォーカルとして参加する。

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