「大会前のカナダ戦で西武の秋山翔吾が離脱して心配されましたが、無事に優勝し、関係者は安堵していました。しかし、グラウンド外の深刻な問題も見えています」(球界関係者)
深刻な問題とは、侍ジャパンの「不人気」だ。海外の代表同士の試合で観客動員が見込めないことは分かっていた。しかし、日本戦ですら対戦国によって、観客が“激減”することまでは予想できなかった。
スーパーラウンドの韓国戦では4万4224人と大入りを記録。しかし、12日の米国戦は2万7827人。11日の豪州戦は1万7819人。国際試合で2万人を割り込む異常事態に陥っていたのだ。
そこで、再浮上したのが、侍ジャパンの「分離案」だ。稲葉篤紀監督は、かつて代表選手、コーチだった経歴を見込まれて選ばれた指揮官だ。協賛企業が出資しやすいビッグネームではない。
「’21年の第5回WBCだけではなく、来年の東京オリンピックも意識しなければなりません。単に金メダルを獲るだけでなく、野球競技の五輪復活に繋がる人気と実力を証明しなければいけない…」(同)
そこで「五輪は別監督を選出し、ドリームチームにする」という意見が後から出てきたのだ。この件は協議されないまま立ち消えとなっていたが、今回のプレミア12の不入りを受けて、再浮上してきた。
とはいえ、今さら「五輪分離」に変更はできないだろう。だが、外部から強力な助っ人を招致する方法なら可能だ。イチローである。
イチローはシーズン中、チームには帯同しない。五輪期間中の来日なら、マリナーズにも迷惑は掛からないはずだ。また、五輪に非協力的な大リーグ機構だが、会長付職員の肖像権までは訴えてこないだろう。
「プレミア12で、日本選手は外国人特有のムービングボールに対応できていませんでした。あと、南米出身投手との『間』が計れないと苦慮していました」(スポーツ紙記者)
こうした外国人投手への対応を、イチローに助言してもらう。ベンチ入りが無理なら、何らかの肩書きで試合前のグラウンドに下りてもらい、選手指導にあたるのもいいだろう。千両役者見たさに、観客増は間違いない。継承者を育てる意味でも、「イチロー代表復帰」は進めるべきだ。