後の関心は、誰が“令和最初の場所を制するのか”という点だが、土俵上で「昭和生まれの力士」と「平成生まれの力士」が激しくしのぎを削っていることもポイントの一つになりそうだ。
幕内における両派の勢力を見てみよう。2年前の秋場所は幕内42人中、昭和生まれと平成生まれがちょうど半分の21人ずつだった。その後、徐々に平成生まれが増え、この夏場所では昭和17人対平成25人となっている。
ただ、優勝争いとなると話は別。まだまだ昭和勢の天下で、今年も初場所は玉鷲、春場所は白鵬と、昭和生まれが賜杯を抱いている。これまで平成生まれが優勝したのは平成27年夏場所の照ノ富士、去年の名古屋場所の御嶽海、九州所の貴景勝の3人だけなのだ。
「とはいえ、次第に平成生まれの勢いが増しているのは事実です。この夏場所も、大関以上でただ1人、優勝していない高安を筆頭に、新大関の貴景勝、先場所14勝して関脇に返り咲いた逸ノ城ら、平成生まれが虎視眈々と賜杯を狙っています。昭和生まれの横綱鶴竜、大関豪栄道らが『そうはさせじ』と腕を撫していますが、多勢に無勢、厳しい闘いになるのは必至です」(担当記者)
この熱闘をいっそう混沌とさせるのが白鵬の休場だ。
本誌の予想通り、白鵬は先場所千秋楽に痛めた右上腕のケガを理由に休場を表明した。これで白鵬の休場は通算12度目。去年の初場所以降でフル出場したのはたった3場所だけで、6場所も休場していることになる。休場率は実に66%で、これ以上長引けば「引退」の声も聞こえてきそうだ。
昭和生まれの絶対的存在である横綱の休場で、気勢が上がる平成勢。それを後押しするかのように、幕内の取組にかかる懸賞も平成生まれに殺到している。
初日前の段階で、最も申し込みが多かったのが貴景勝の340本。2番目も高安の146本。3番目がようやく昭和生まれの豪栄道で121本だった。それにしても貴景勝の怪我の状態が気がかりだ。