2年前のアルデバランSでは同世代のG1ホース、トランセンドと0.2秒差の2着、その後のアンタレスSではトランセンドが8着に沈んだなか、3着。また、その前後には最初の馬主、関口房郎氏の財産差し押さえの対象になり、次の馬主が決まらなければレースに出走できなくなるトラブルにも見舞われた。その後のトランセンドの活躍や同じ6歳世代の活躍を考えると、トラブルもなく順調に使えてさえいれば、今頃もっと功績を残していたかもしれない馬である。
去年は1年の休養を挟んでから叩き3戦目でOP戦を勝利。その次走のシリウスSで3着と叩きながら上昇。これを踏まえれば、今年も使いながらまた活躍してくれるはずだ。ダート主力はローマンレジェンドや高レベルの3歳馬へと変わっていきそうだがが、フサイチセブンが待ったをかけることもあるかもしれない。ダートファンとしては楽しみがまた一つ増えて嬉しい限りだ。
しかし、すぐにGIに出てくるのを期待するのは酷だろう。ただ、2度の長期離脱を挟んでいるため、まだ出走したレースは15戦。さらなる成長があってもおかしくはない。次のGIか、次の次のGIでもいい…。再び脚部不安に悩まされることがなければ、いつかは必ず這い上がってくる馬だと信じて待ちたい。
〈プロフィール〉近藤雄亮:キャリア3年目の若手放送作家。売れっ子作家ではないため安定した生活をするには競馬の成績がカギ。今年度のおこづかい馬券の成績は現時点で回収率154%、プラス収支をキープ。Twitterのアカウントは「@minoru1202」。