そのシナロア・カルテルもおそらく行っているだろう処刑方法でスターが惨殺されるのが映画『悪の法則』である。
主人公のカウンセラー(マイケル・ファスベンダー)は、美しい恋人(ペネロペ・クルス)に結婚の了解を得て幸せの絶頂にいたが、お金に困っていた彼は以前実業家のライナー(ハビエル・バルデム)に勧められた麻薬ビジネスに「一度だけ」と自分に言い聞かせ、手を出してしまう。そこから文字通り“悪の法則”に乗っ取って悪事に巻き込まれていく。仲買人ウェストリー(ブラッド・ピット)が教えてくれた利益率4,000%という驚異の数字に魅力を感じ、取引がうまくいけば1回のビジネスで大金が入る予定だったが、何者かによる陰謀で失敗してしまう。ウェストリーが教えてくれたメキシコの麻薬カルテルによるスナッフフィルムの事を思い出したカウンセラーは恋人と隠れようとするが、麻薬カルテルは彼が思うほど生易しいものではなかった。カウンセラーだけでなく恋人や周りの人間たちも巻き込み、彼らを恐怖のどん底に陥れられてしまう。
心臓の弱い人は最後まで観られるのか? という疑問があるほど、実際の麻薬カルテルが行っている処刑方法でスターたちが殺される様子は麻薬に全く関係無い生活を送っている我々視聴者をもショッキングな世界へいざなってくれる。この映画を観ると「麻薬ビジネスには絶対手を出すまい」と思えるだろう。
『悪の法則』
すべては、“カウンセラー”と呼ばれる若く有能な弁護士がほんの出来心で裏社会のビジネスに手を染めたことから始まった。美しいフィアンセとの輝かしい未来を夢見た彼の欲望は、周囲のセレブリティたちを否応なく危険な事態に巻き込み、彼らの虚飾に満ちた日常を揺るがしていく。しかし彼らは、まだ気づいていなかった。この世の闇に渦巻く“悪の法則”に魅入られ、もはや逃れようのない戦慄の罠に絡め取られてしまったことに…。
<STAFF&CAST>マイケル・ファスベンダー(東地宏樹) /ペネロペ・クルス(本名陽子)/キャメロン・ディアス(田中敦子) /ハビエル・バルデム(江原正士)/ブラッド・ピット(山寺宏) 監督:リドリー・スコット 脚本:コーマック・マッカーシー 製作:リドリー・スコット/ニック・ウェクスラー/スティーヴ・シュワルツ/ポーラ・メイ・シュワルツ