逮捕容疑は昨年2〜10月、同市から保護費約62万円を詐取したとしている。倉田容疑者はこの間、日給約4万円の高級クラブ2店舗に勤務し、計約460万円を稼いでいながら、同市に届け出ていなかった。
同署によると、倉田容疑者は07年2月、体調不良を訴えて生活保護を申請。月額7、8万円が支給され、昨年10月までに約622万円が支払われた。
「生活保護を受給している北新地のホステスがいる」との情報が、同署に寄せられて、不正が発覚した。
倉田容疑者は約7年前から「精神疾患」を理由に、月額約6万5000円の障害基礎年金を受け取っており、同署は年金受給の経緯も捜査している。
同署の調べに、倉田容疑者は「親族から毎月3万5000円受け取っていた。それでは生活できず、クラブで働いた」などと話している。それが事実なら、親族が生活保護手続きの便宜を図り、保護費の約半分を受け取っていたことになる。
生活保護費の支給額は、年々増加するばかり。その一方で、このような不正受給も少なくないだろう。不正を許さないためにも、支給決定時の調査もさることながら、毎月の厳重なチェックが求められそうだ。
(蔵元英二)