相手を信じて待ち続け、体調を崩したのはオランダ人男性だ。2016年8月、中国・湖南(こなん)省の空港で、出会い系アプリで知り合った中国人女性を待ち続けた当時41歳のオランダ人男性が空港で倒れた。2カ月前、男性は女性と知り合い、オランダから中国まで行ったが、空港で待っているはずの女性はその場にいなかった。しかし男性は女性が来ると信じ、10日間その場で待ち続けたという。女性がいつ来るか分からないため、男性は待ち合わせ場所から離れることができず、十分に食事を取ることができなかった。待ち続けて10日目に男性は栄養失調と脱水症状で倒れ、病院に搬送されたという。その後、男性の体調は回復した。
SNSにありがちな理由から、殺人に発展した事件もある。
2014年10月には、アメリカ・ケンタッキー州で当時33歳の男がSNSで知り合った女性を殺害して逮捕された。2人はFacebookで知り合い、意気投合して会うことになった。しかし、待ち合わせ場所に現れた女性が、Facebookに掲載されていた写りのいい写真とは違い、実物は自分の好みではなかったことに男は腹を立て、男は女性に会うなり女性の首を絞めて殺害したという。女性の遺体が発見されたことから警察が捜査を開始し、監視カメラの映像などから犯人を特定。男は逮捕された。男は犯行動機について「わざわざ遠くから彼女に会うために車を運転してきたのに、現れた彼女はFacebookで見たよりも美人ではなかった」と供述。「被害者は自分の方だ」と話したという。
軽い気持ちで出会い系アプリを使用し、大けがを負ったのは中国に住む女性だ。
中国・黒竜江(こくりゅうこう)省では、2013年10月、出会い系アプリを通じて出会った2人が殴り合いの喧嘩をする事件が起きた。同省に住む当時28歳の女性は、既婚者でありながら出会い系アプリを使い、とある男性とメッセージの交換をしていたそうだ。女性は男性と会うことになり、待ち合わせ場所のホテルに向かったが、そこにいたのは夫の父親である舅(しゅうと)だった。舅は女性が出会い系アプリを使っていたことに激怒し、女性の顔面に殴りかかったという。女性も既婚者である舅の不義理を責め、舅の頭を殴り続けた。2人は病院で手当てを受け、女性の夫はその後、真実を知ることになったという。女性と夫がその後、どのようになったかは明かされていない。
出会い系サイトやSNSを使うことで、見たこともない相手と出会うことが容易になった。しかし相手のことをよく知らない以上、利用する際は、慎重になることも必要だ。