「私は詐欺業者に騙されたり脅されたりこそしていませんが、いままでまともにセックスをしてお金がもらえたことがありません。(苦笑)…邸宅の中から有閑マダムが出てきて色めきたったこともありましたが、結局何か危ない紙袋のようなものをお届けさせられただけ。知らない人間のところに行くので、この仕事は“裏のバイク便”みたいな存在なんだなあ…とだんだんわかってきたのが実感です」
そう語る酒井さんだが、中でも、だまされて「男×男業界」(同氏)にはまって怖い体験をすることがあった、と出張ホスト応募へさらなる注意を促す。
「相手は、本山と名乗る男でした。電話で話した感じは、50歳くらい。出張相手の住所を教えられて、その住所に向かったんです。自分はあくまでコーディネイトしているだけで、報酬は相手からもらえると言うことでした。行く道中、(出張ホスト頼む女なんて、どんな女なのかな〜)って感じで、一抹の不安を覚えながらも期待感もあって…住所どおりのあるマンションに着いたんです。結構年季の入ったマンションで、オートロックなんてないマンションでしたが、ともかく、指定の部屋に行きました。すると聞き覚えのある鼻にかかった声=本山は、玄関先でいきなり私を押し倒したんです」
その後は、「まさにエロアニメな展開」(同氏)だったという酒井さん。多少の実害はあった。その後、
「いざ…という時になって、ナイフで背中をなぞられて『わかってるよね』などと脅されたんです。怖くなった私は、『すいません、無理! お代はいりませんから!』と叫んで着衣も乱れたまま部屋から逃げました」
出張ホストがこういった使い方をされているのが常態かはわからない。が、やはりいろいろな意味で怖い仕事のようだ。