それは最近の研究でも実証されているようだ。今年1月7日、専門誌『分析化学』の電子版に掲載された研究内容にて、悪魔から身を守る魔よけの意味があるとされてきた古代エジプト女性のアイメイクは、鉛と鉛塩を混ぜ合わせた顔料鉛であり、極めて少量の鉛であれば一酸化窒素分子が生成され、目が細菌に侵されるのを防ぐ効果があると報告された。
他にも化粧品の材料としては、鉱物以外にもバラやシダーウッド、ミルラなどの精油やオリーブ油、セサミ油などの植物、ハチミツも用いられていた。古代エジプトでは薬の使い方が発展していたが、薬は使いようで毒にもなる。殺虫剤、殺菌剤や洗浄液、防腐剤など、人々の生活に有用な毒物もあるが、有害な毒物は軽いかぶれを起こすようなものから、害の重いものに至っては、扱いを間違えると病気を引き起こしたり、死に至らしめるものもあった。また、小さい頃から毒を飲ませられ続け、体液に毒を持った女性を、権力者の男性に差し出して殺すといった事例もあったらしい。
クレオパトラも美しいアイメイクや薬草の知識を使い、魔術めいたことをやっていたのかもしれない。
(前野クララ 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou