人型ロボットが当然の様に街を歩き、ロボットたちに頼るようになってしまったらどうなってしまうのか。そんな近未来起こりうる「ロボットと人間の共存」をバックグラウンドに描いた作品が、DVD&ブルーレイで7月2日リリースになる新生『ロボコップ』だ。
ご存じのとおり軍事配備のロボット化に揺れるデトロイトを舞台に、瀕死の重傷を負った警官が半分人間・半分マシーンの“ロボコップ”として生まれ変わり、凶暴化する社会の“悪”と闘う近未来SFアクション。87年に公開された『ロボコップ』のリブート版で、ロボコップのスーツが新たなデザインになったりアクションシーンが激しさを増したりと見どころ満載となっているがオリジナルの持つロボットと人間のあり方をテーマにしている部分は変わらない。
人間が作ったロボットに支配され、善悪をロボットにゆだねてしまい逆にロボットの存在が脅威となり住民から嫌悪感を頂かれていた矢先に、ロボットの存在を挽回すべくロボコップが誕生するが…。
ロボコップとなったマーフィー刑事は、企業の思惑により人間的感情のほとんどを奪われてしまう。そのため、機械として対象物の「不安」や「怯え」などの感情認識は出来るもののそこに人間的反応が全くないロボコップとなる。そのため、愛する家族を前にしても、優しい言葉も掛けずに機械的にあしらってしまうのだ。そんな人間的感情が一切排除された警察官が効率さだけのために、世の中の治安を守っていいのだろうか、と疑問をいただく人々もいる。
本作は便利に成りすぎて、全てを機械化させる世の中に警鐘を鳴らしているアクションだけでなくシリアアスな側面を持っているのだ。一体、マーフィー刑事は人間らしさを取り戻すことは出来るのだろうか…。
便利な時代になった今だからこそ映画から、未来の人間のあるべき姿を学び取ってはいかがだろうか。