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ホームレス10年選手の生活

 寒いこの時期は本当に彼らの動向が気になる。そう、ホームレス。

 文藝春秋から<ASAKUSA STYLE>という写真集が出ている。天ぷらパーティーなど、彼らのオシャレ? な生活の写真が面白い。

 河原でホームレスを取材すると次々と意外な実体が浮かび上がってくる。

 二子玉川方面の河原に住む、60代のAさん。
 詳しい事は書けないが、潜伏中だ。

 …奥さんがつぶれたAさんの会社の債務整理や、債権者としての裁判などに奔走中。
 A氏は携帯を持っていて、奥さまに指示を出す。
 表向きは失踪したことになっており、このライフスタイルが都合がいいのだそう。

 「携帯電話は本当に便利だよ」
 と笑うA氏。川の水で沸かした風呂に入るのが何よりの楽しみだそうだ。

 氏はこんな驚くべきことも言う。
 「若い女が訪ねてくることはあるよ。『弟子にしてください』ってな。1000円札握らせて説教して帰すがよ」

 さすがに寒さの厳しいこの季節は少ないらしいが、生活に困った美人女性が気に入った主のところに転がり込んだり、友達同士でしばらく河原に棲みついていたり、という話はよく聞く。
 実際、「そんな女はすぐに噂になる」(A氏)そうである。

 いっぽう、一家離散の後、もう川崎の河原に来て15年選手のBさん(70)。
 庭(?)が広い。それと、飼っている野犬がこわい。(笑)

 「鮎釣りが一番の愉しみだな。塩焼きにして食うとうまいぞ」
 小屋を覗くと、ふかふかのソファーや簡易ベッドが。それにトタンの家の内壁には、中森明菜のポスターが貼ってあった。ファンなのだそうだ。

 「国交省の役人が見廻りに来るので、その時に困っていることなどあれば伝えるようにしている」ということだが、彼らも絶対野犬にほえられ、容易には近づけないはずだ…。

 皆、くれぐれも暖を取り、早く社会復帰してほしいと願わずにはいられない。

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