「長谷川は、ニューヨークでトレーニングを積んでいると聞いています。おそらく、高い集中力を持って取り組んでいるでしょう」と、ンサン。再戦について「私は、長谷川を尊敬しています。一度戦っているので、お互いに長所も短所も分かっていますし、次の試合もエキサイティングなものになるのは間違いありません」と語っている。
長谷川は元DEEPメガトン級王者として活躍。デビューから3年間負けなしという結果も残した強豪選手だ。現在までの戦績は16勝3敗1分。DEEPを主戦場に、RIZINにも参戦していたが昨年5月、ONEと契約。同年6月に「ONE:SPIRIT OF A WARRIOR」の初戦でンサンと対戦し、5Rにンサンの右ストレートを食らいKO負けを喫したが、壮絶な打ち合いにファンは熱狂。これがベストバウトに選ばれた。
「チャンスを逃した部分もありましたし、もっと違う動きをすればよかったと反省している部分はあります。しかし、それらは既に修正できたので、次の試合はより良いものを見せられると思います」と、ンサンはこの試合を振り返っている。
長谷川は現在、ニューヨークでトレーニング漬けの日々を送っているが、ンサンは「長谷川はさらに進化していると思います。それは、素晴らしいことです」とたたえると「ファンに素晴らしい試合を見せることができると思うからです」と続けた。
日本開催については、「もちろん、ミャンマーで試合をするのは大好きです。しかし、その分プレッシャーもあります。だけど、次の試合は日本でやりますから、集中できると思っています。また、日本は武道発祥の地。ずっと、日本で試合がしたいと思っていたので、非常に光栄に感じています」と楽しみにしている様子。
「ヘビー級挑戦の準備はできています。現王者のブランドン・ヴェラは素晴らしい選手なので、挑戦したいとも思っています」
このようにンサンは防衛に成功すれば、階級を上げてONEヘビー級世界王座を狙っていることを明らかにしている、そのためにも長谷川戦は乗り越えなければならない。「トレーニングは万全で非常に集中できています。自分の力を早く試したい。そんなふうに思っています」と意気込んだンサン。しかし長谷川にとってもホームの日本凱旋とあって負けられない。もし連敗するようなことがあれば、今後の格闘技人生にも大きな影響を与えるだろう。
ONEのベストバウトが日本のゲージで楽しめる喜びを噛みしめたい。
文 / どら増田
写真 / ©︎ONE Championship