これまで世界最高峰とされる米・UFCがたびたび日本で大会を開催し、日本ではAbemaTVの格闘チャンネルで気軽に見られるとあって知名度を上げてきた。一方、シンガポールのONEはアジア最大のワールドスポーツメディアとして、2011年に設立。アジアの格闘技団体や選手を傘下に収め、提携する形で規模を拡大していった。
キックボクシング団体KNOCK OUTの木谷高明オーナーも、昨年の戦略発表会で「K-1やRIZINよりもONEの方が脅威。チャトリはかなりのやり手」と話している。実際、MMA、キックボクシング双方の日本人選手が「ONEに上がりたい」と口にする。那須川天心のようにRIZINと複数年契約を結ぶ選手や、K-1に所属している選手以外の動きは流動的。現時点で、ONEの日程さえ優先させれば日本の他団体への出場を認めていることもあり、しばらくは日本で知名度がある国内外の選手をうまく使っていくものと思われる。
天心を追いつめたロッタンは、RISEの世界トーナメントをキャンセルして、今大会に参戦する。ただRISEとONEは話し合いを続けていくとしており、交流はあるようだ。日本初となる今大会のタイトルは『ONE:A NEW ERA-新時代-』。メインイベントは、ONEライト級世界王者のエドゥアルド・フォラヤンと、元同世界王者で日本格闘技界のレジェンド、“跳関十段”青木真也の因縁対決。青木は日本で2年ぶりの王座獲得を目指す。
「グローバル格闘技ルール」のもと、選手たちはさまざまな格闘技と打撃、グラップリング技を駆使しフルコンタクトで競い合う。名誉ある伝統の格闘技、オリンピックレベルの身体能力を持つ選手たち、ロックコンサートのような興奮、目の前で観戦する臨場感。それら全てを兼ね備えるというのがONEのコンセプト。ルールにも独自色を出しており、1月にはテレビ東京で特番も放送されている。新たな黒船はどんな世界を見せてくれるのだろうか?注目していきたい。
文 / どら増田
写真 / ©︎ONE Championship