これで、中島が今季中にメジャー昇格することは絶望的となった。今後、故障者が出た場合など、40人枠に復帰する可能性は、わずかに残されている。
だが、アスレチックスは現在、ア・リーグ西地区でダルビッシュ有投手が所属するレンジャーズと激しい地区優勝争いを繰り広げており、あえて、未知数の中島を試す余裕はないだろう。
中島は昨年12月、アスレチックスと2年総額650万ドル(現在のレートで約6億3400万円)プラス出来高で契約し、「正遊撃手候補」として期待された。
ところが、アスレチックスは2月にアストロズからのトレードで、同じ遊撃手のジェド・ローリー内野手(29)を獲得。
オープン戦で左太ももを負傷した中島は、故障者リスト(DL)入りして、3Aで開幕を迎えた。故障が完治した後、二塁や三塁にもトライして、チャンスを広げようとしたが、メジャーからはお呼びはかからず。
アスレチックスは7月30日(同31日)には、エンゼルスからトレードで、中島とポジションがかぶるアルベルト・カヤスポ内野手(30)を獲得しており、中島を上に上げる必要性がなくなっていた。
今季の中島は3Aで、15日までに75試合に出場して打率.282、4本塁打、26打点と、平凡な成績で、メジャー昇格に向けた大きなアピールはできなかった。
このままでは、一度もメジャーに上がれないまま、1年目を終えることになる。来季、アスレチックスに残留しても、中島のチャンスは少なく、今オフに2年目の契約を破棄して、新天地を探す可能性もあるとみられている。
(落合一郎)