現在、パ・リーグ最下位のオリックスだが、交流戦は2位と躍進したことにより、前半戦終了までに借金返済を目指しているが、捕手の伏見寅威がアキレス腱断裂により離脱、今季より加入した新外国人内野手メネセスは、ドーピング違反が発覚し契約解除されたため、福良淳一GM兼編成部長はトレードなどによる補強を示唆していた。その結果、中日との複数トレードが成立したものと思われる。
松葉は2012年のドラフト1位左腕。今シーズンは5試合に登板し0勝4敗の成績だが、優勝争いを繰り広げた2014年は8勝1敗の好成績を残し、「負けない松葉」のイメージを植え付けた。毎年、開幕前にはローテーション候補に入っており、新天地で活躍する可能性は高い。武田は松葉と同じく2012年のドラフト4位で入団。高校時代は“新庄2世”と言われていた。素晴らしいハートの持ち主で、先輩の後藤駿太外野手の影響から、後輩の面倒見もいい。2017年には97試合に出場。規定未満ながら打率.295とキャリアハイを記録し、交流戦では最後まで首位打者争いを演じた。中日にはオリックス時代の先輩で、後藤と同期の三ツ俣大樹内野手が一軍出場しているだけに、武田にとっては心強い存在となるだろう。オリ姫人気が高かった武田のトレードは、ファンにとってショックな出来事かもしれないが、新天地では突き抜けた活躍を期待したい。
今回のトレードを受けて、松葉は「急なことでしたので、驚きました。オリックス球団には約6年半、本当にお世話になりました。ここ数年は思うような結果を出せず、申し訳ない気持ちしかありません。今まで応援していただいたオリックスファンのみなさんに、オリックスで活躍する姿をもっと見せたかったです。トレードという形ですが、自分を必要だと思っていただいた中日球団に感謝していますし、一日でも早く1軍の舞台で投げて、中日ファン、そしてオリックスファンにも喜んでもらえるよう、新天地でもがんばります」とコメント。武田は「突然のことで、驚いています。プロの世界に入ってから苦しいことの方が多く、スタッフ、チームメート、監督、コーチ、たくさんの方々に支えてもらいっぱなしだったと思います。そういう自分を育ててくれたオリックス球団には感謝の気持ちでいっぱいです。そして、なかなか一軍に定着できなかった自分でも、オリックスファンのみなさんはいつもあたたかく応援してくださいました。中日で活躍することが恩返しにもなると思いますので、これからも精一杯がんばります」と活躍することで恩返しすると誓った。
一方、オリックスにやって来る松井雅人は6月30日にナゴヤドームで行われた阪神戦でもベンチ入りをしている一軍のキャッチャー。松井佑介は今シーズンは16試合の出場にとどまっているが、2017年には56試合に出場し打率.277の成績を残している。モヤは今シーズン、ファームで打率.315(ウエスタンリーグ首位打者)、12本塁打、36打点の活躍をしており、大砲を獲得したいオリックスの補強ポイントと一致している。
入団会見は近日中に行われる見込みだ。
文 / どら増田
写真 / 垪和さえ