オリックス 3-4 巨人(1回戦)
※オリックスの0勝1敗
▽18日 東京ドーム 観衆 41,103人
誰が見てもいつものピッチングではなかった。侍ジャパンの稲葉篤紀監督が観戦する中、ここまで12球団ナンバーワンの防御率を引っ提げて“代表定着”をアピールする条件が揃った東京ドームでの巨人戦で、オリックスの“神童”山本由伸は先発のマウンドに上がった。
しかし、初回からスピードは出ているものの、球が高めにいってしまい、巨人の丸佳浩に先制の2ランホームランを許してしまう。2回には安達了一の悪送球からピンチを招くが、ここは何とか乗り切るも、3回、今度は巨人の4番岡本和真にバックスクリーンへ運ばれ3点差に。4回から少しずつ立ち直っていった由伸だが、6回を122球、8安打、7三振、1四球、3失点の内容で降板。防御率トップの座は何とか死守している。
試合後、由伸は「立ち上がりはいつも力んでしまうんですけど、力で抑えようとしてしまい、バランスを乱してボールを操ることができていませんでした。中盤からは力も抜け、自分らしいピッチングになっていったと思います。いつも後悔するので、次は後から悔いのない試合をしていきたい。悔しいです。(5回の登板後に監督と話していたが)よくなって来たので、もう1回投げますと言いました」と自らのピッチングを振り返った。
チームは8回、中川圭太の2点タイムリーで同点に追いつく意地を見せたが、その裏、この試合が始まるまで今シーズン自責点0の海田智行が、陽岱鋼に勝ち越しのタイムリーツーベースを打たれ、試合は巨人が1点差ゲームを制している。オリックスの連勝は「3」でストップ。なかなか4連勝をさせてもらえない。
西村徳文監督は「(由伸は)立ち上がりから良くなかった。中盤から立ち直りましたけどね。いつもと違いました。力み過ぎたんじゃないですか。(8回の失点について)初球の入りですよね。陽のところは先頭の四球からでしょ。慎重にいかないといけない。(中川は)しぶといバッティングをしてくれてる」と、中川は評価したが、バッテリーに関しては少し厳し目だった。
最後の打者となった伏見寅威が空振り三振をした際、左足首付近を痛めグラウンドから動けなくなったため、コーチに背負われてロッカールームへ。そのまま車椅子に乗り病院に直行した。鈴木郁洋バッテリーコーチは、19日の試合からファームにいる山崎勝己を合流させる意向を明らかにしていたが、都内の病院で左足アキレス腱断裂の診察を受けたと深夜に球団が発表したため、入れ替えが確実となった。伏見はキャッチャーだけではなく、長打が打てる代打のカードとしても起用されていただけに、この離脱はチームにとってかなり痛い。しかし、今は他の野手が奮起していくしかないのが現状である。
取材・文・写真 / どら増田