病院側の被害届が受理され、球団は同日に事態を把握。不明な点も多いため、対応したスタッフは「詳細は分かり次第…」と言葉を濁したが、このトラブルは他の巨人ナインにも影響を与えそうだ。
「2日、山口は古巣・DeNA相手に先発し、大ブーイングを浴び、敗戦投手にもなっています。9日の阪神戦にも登板しましたが、勝ち星は挙げられませんでした。お酒を飲んでいたというし、精神的にイライラしていたのではないか」(スポーツ紙記者)
被害者側との示談が成立したとしても、しばらくの間、球団は謹慎させるだろう。トラブルが事実だとすれば、山口は猛省しなければならない。だが、「もう一つのミス」も犯している。
「前日、予告先発投手として山口を登板させようとしたわけですから、球団は第一報を知らされるまで本当に事実関係を聞かされていなかったのでしょう。相手側への謝罪はもちろんですが、トラブルを起こした時点で球団に報告すべきでした」(前出・同)
目下、巨人は支配下登録選手のことで話し合っているという。
今季の支配下登録の手続きは、7月末まで。巨人は68人を登録しており、定員は「70人」だから、「あと2人」まで“補強”できる。トレード、外国人選手の途中加入はないが、育成選手の支配下登録を検討していて、その候補は4人。そのなかの一人に高木京介(27)も含まれているという。
高木は野球賭博に関与し、1年間の失格処分明けに「育成枠」で再契約している。巨人選手が関与した野球賭博問題は2015年に発覚し、その後、当該選手たちは無期限失格処分を下された。球団は再発防止策を進めると同時に他選手にも事情聴取を行ったが、高木は「名義を貸していただけ」と虚偽の回答をしていた。しかし、自身が関与していた実態が報じられ、処罰されたのだ。
「高木が『1年間』という期限付きでの失格処分となったのは、賭博への関わりが薄かったこと、そして、主犯格ではなかったからです。事情聴取の時点で正直に打ち明けていれば、処分内容も違っていたと思う」(前出・同)
関係者によれば、謹慎期間中、母校などで懸命に練習していたそうだ。猛省とその頑張りが認められての育成契約だった。
「巨人は左の救援投手が不足しており、高木は支配下登録の最有力でした。野球賭博問題のこともあったので、ファンが許してくれるのかどうか、そのへんについても球団は気にしていました」(球界関係者)
高木が一軍マウンドに帰って来たとき、今回の山口の一件もあるだけに、さらに強い好奇の目を注がれるだろう。球団も「処分が甘い」との批判を受けるかもしれない。主力選手の高齢化が囁かれて久しい。ヨシノブ巨人は色々な意味で転換期にあるようだ。
(スポーツライター・飯山満)