片霧は自主制作物をコミックマーケットや同人誌即売会で公開、販売するなど、同人音楽やPCゲームの主題歌を中心に活動。2006年にはテレビアニメ『ひぐらしのなく頃に』(フジテレビ系)のエンディングテーマを担当するなど、2次元系中心に歌手活動を展開。また、ボーカルだけでなく作詞・作曲からネット声優まで幅広く活動している。今回ライブを開く予定だった教会から問題視されたのは、PCゲームの活動だった。
片霧がPCアダルトゲームで歌を担当していたことが「神聖な場所である教会施設のイメージにそぐわない」とされ、またその仕事を申告しなかったことが「虚偽に当たる」と教会側に言われたという。片霧は、教会側に自分が所属する公式サイトのアドレスを送ったが、アダルトゲーム関係の記載がなかったことを明かし「虚偽のつもりはなかった」と教会に再度かけ合った模様。しかし利用キャンセルの決定は覆らず、3月1日14時現在も代替の会場候補を探している。
教会HPの利用規約には、「次のいずれかに該当する場合は、お申込後、またご使用中においても、ご使用をご遠慮いただくことがあります」とした上で、使用申込時に連絡先や使用目的などを虚偽申請することや、転貸・販売を伴う場合に風紀上または管理上、不適当と園が認めた場合は使用できないとの記載があった。教会側は「虚偽の申請」に当たると判断したと思われる。
ネット上では「楽曲提供しているだけなのに」「アダルトゲームに曲を提供していることまで事前に申告する必要あるのか」「アダルトゲーム関連のライブならともかく過去に仕事したことがあるから駄目っていうのは意味わからん」などと片霧を擁護する意見がある一方で、「別にここの教会でやる必要はない」「来歴をなんで最初に言わなかったのか」「神聖な教会にそういった客層が集まってきたら問題かも」などと、教会の判断に理解を示す声もあった。
今回、教会の宗派は確認できていない。宗派によっては、性交渉に対しては戒律が非常に厳しいところもある。教会はアダルトゲームを「戒律に反する」と判断したのかもしれない。
教会側の発表がない限りどちらに問題があったかは判断できないが、一般の感覚と宗教の「性」に対する感覚の違いが生んだトラブルだと言えるだろう。