処分を受けた2人は、2017年10月、名古屋市熱田区で車を巡るトラブルが発生し駆けつけた際、飲酒の疑いがある男性を発見。直ちにアルコール吸気検査を始めたが短時間で切り上げ、「アルコールは検知できなかった」と虚偽の報告書を作成し処理していた。
なぜ、このようなことをしたのか。後の取り調べに対し、巡査部長は「立件するための捜査が面倒だった」などと供述。巡査は「巡査部長の指示に従った」と話しているとのこと。警察官が「捜査が面倒くさいから罪をなかったことにする」という前代未聞の職務怠慢を行っていたのである。
こうなると、見逃した男性が巡査部長の「お友達」で、「故意に見逃したのではないか」という疑念も生まれてしまうが、現在のところそのような事実は発表されていない。また、なぜ明るみに出たのかなどについても不明だ。愛知県警は巡査部長を減給6か月、巡査を本部長注意と懲戒処分をした。
このニュースに、ネットユーザーからは「悪質」「これだから警察は信用できない」など、怒りの声が。また、「裏がありそう」「飲酒運転していた男は警察官だったのでは?」「男が知り合いだった可能性がある」「金で買収されたのでは」など、様々な疑念や憶測が飛び交っている状況。そして、「身内に甘い」「真面目に仕事をしない人間を税金で生活させるな」など、厳しい言葉も飛んだ。
飲酒運転は重大事故を事前に食い止める目的から取り締まるもので、警察官の「点数稼ぎ」のために行うものではない。「面倒くさいから捜査を打ち切る」という行為は、「交通安全を守るために取り締まる」という意識が完全に欠落している。ある一定の人物だけ見逃すとなれば、当然、「友達や身内だったのではないか」「買収されたのではないか」という疑念を市民が抱くのは当然だ。
警察官が見逃した人間が、この後、他人を巻き込んだ事故を起こせば、その責任は重大なものになる。信用と交通違反取り締まりの根幹を揺るがしかねない事件なのだが、愛知県警は減給と注意のみが妥当と考えている様子。身内に甘いと言われても、致し方ないだろう。