この署長は2018年11月、署内に勤務する女性職員に対し何度も食事に誘い、さらに、「かわいい」「笑顔と髪の毛が素敵」などと声をかけるなどして、女性に不快感を与えたていた。なおそのうち2回は、誘いに応じ2人で食事に行ったという。
事態の発覚のきっかけは内部通報。これを受けた県警本部が調査に乗り出し、署長が事実関係を認め、セクハラの事実が明らかになった。署長は行為について「仕事で世話になって食事に誘うなどした」「不快な思いをしていたとは気が付かなかった」などと話しているとのことだ。
県警本部は29日、この署長を来月5日付けで警務部付とし、犯罪防止対策担当兼生活安全部付を後任にする人事を発表。倫理観を欠いた行為の代償は大きなものになった。女性を守る立場である警察署のトップが女性にセクハラを繰り返していただけに、ネットユーザーも「セクハラへの意識が低すぎる」「処分は妥当」との声を上げている。
ただし、一部には異論もあるようで、「これだけでセクハラになるのはちょっと厳しい」「君は中間くらいの顔だねといえばいいのか?」「口説くくらいいのでは?」と同情の声も。また、「女性もキッパリ嫌だと言う意志を伝えるべきだった」と指摘も出た。
しかし、これについては「立場を利用した食事の誘いである可能性が高い」「人事権のある署長から誘われたら無下にはできない」と、女性ネットユーザーから反論が。そして、「女性が嫌がっている時点で誘いや言動を止めるべき」と厳しい声が上がった。
署長は女性を何度も食事に誘っており、そのたびに断っていた様子。それでも誘われ続け、折れて食事に行ったものとみられる。やはり、人事権を持つ署長からの誘いに対し、「不愉快である」と明確な意思を示すことは難しい。立場を利用した食事の誘いやセクハラと混同されかねない発言は、署長としてふさわしくない行為といわれても致し方ないだろう。
文・神代恭介