今シリーズ最終戦で外敵退治に臨むチャンピオンに、ノア撃退術のススメ。
実に1カ月半ぶりの新日マットとなる蝶野はこの日メーンの6人タッグ戦で棚橋と激突した。2人のマッチアップでは、リングインするなり大「チョーノ」コールに押され、まずは人気面でチャンピオンを圧倒。ロックアップ後のレスリングでもパワーでこそねじ伏せられたが、インサイドワークで勝り、王者を封じてみせた。
直接決着こそなかったが、対棚橋ではケンカキックをブチ込むなど、黒いカリスマは現IWGP王者を完封。試合後は棚橋に「会場の声援で俺と比べるとまだまだ」としながらも、チャンピオンシップについては「こういう時期だから向こうは三沢さんの思いとかいろんな背負ってるものをぶつけてくるだろうけど、棚橋は全部受けきれるだけの器がある」「パワーやレスリング技術でも杉浦選手より上回ってるから自信を持っていい」と太鼓判を押す。
かつてノアとの対抗戦では先頭に立ち、大舞台の酸いも甘いもかみ分けた“黒いご意見番”。それだけに「ただ、力があっても対抗戦ムードの中で防衛できるかどうかは別。ホームでチャンピオンなんだから歓声に後押しされるのは当然だが、きょうみたいに杉浦選手の方がベビーフェースになるかもしれない」とナルシシスト王者を危惧する部分もある。
それでも黒いカリスマは「そういうときは逆に会場のブーイングを力に代えなきゃいけないし、相手の嫌がる事や突拍子もないことができなきゃ。例えばいきなり相手にマングリ返しして、札幌で大恥かかせてやるとか…。対抗戦に必要なのはそういうひらめき。まあいまの棚橋なら大丈夫」と杉浦退治に全幅の信頼を置いている。
一方、黒い助言を受けた棚橋は試合こそ蝶野に押されたが、最後はきっちり井上亘から必殺ハイフライフローで3カウントを奪って好調をアピール。この日はG1クライマックスで、前シリーズ最終戦で襲撃されたZERO1田中将斗と同ブロックに入ることも決まり「ついつい熱くなっちまった。みんな俺を狙ってるんだな。俺も札幌、G1に向けてヨーイドンだ」と気合を入れなおしていた。