『G1クライマックス29』
▽8日 神奈川・横浜文化体育館 観衆 4,983人(札止め)
新日本プロレス真夏の最強戦士決定戦『G1クライマックス29』Bブロック第8戦が開催された。8.8の横浜文体といえば、1988年にアントニオ猪木氏が藤波辰巳(現・辰爾)のIWGPヘビー級王座に挑戦し、伝説の60分フルタイムドローを演じた舞台。1.4東京ドーム大会ほど浸透していないが、G1が全国開催になってからは毎年恒例。今年もチケットは完売した。
前日にAブロックの決勝進出候補がオカダ・カズチカと飯伏幸太に絞られた。Bブロックで決勝進出の可能性が残っているのは5勝2敗のジョン・モクスリー、4勝3敗の後藤洋央紀、石井智宏、内藤哲也、ジェイ・ホワイトの5選手だ。
まず、内藤がジェフ・コブと対戦。コブの巨漢離れした動きに苦戦する場面があったものの、最後はデスティーノが決まりカウント3。決勝進出に望みをつないだ。すると次の試合に登場した首位のモクスリーが、後藤のGTRの前に敗れ3敗目を喫してしまう。これにより、後藤も最後の公式戦まで決勝進出の可能性を残した。後藤は8.11東京・日本武道館大会で鷹木信悟と、モクスリーはジュース・ロビンソンとそれぞれ対戦する。
セミファイナルでは4連勝中のジェイがジュースと対戦。ジュースの膝をイスで滅多打ちにするなど、ジェイは荒々しい攻撃でジュースに主導権をつかませない。最後はJTOで捕獲したジェイがギブアップ勝ち。膝への集中攻撃が功を奏した形となった。試合後、立てないジュースに、ジェイはブレードランナーでトドメを刺し不敵な笑みを浮かべた。次戦は内藤戦だ。
メインイベントでは、石井がジュニアヘビー級の鷹木と対戦。ジュニアとはいえ石井と体格差がない鷹木は、石井の強烈な打撃を耐え抜くと、最後は必殺のラスト・オブ・ザ・ドラゴンを決めてなんとカウント3。鷹木が石井の決勝進出への道を閉ざした。鷹木は最終戦で決勝進出の可能性が残る後藤と対戦する。この一戦の結果が決勝進出戦線に与える影響は大きいだけに注目だ。
Bブロックはモクスリー、後藤、内藤、ジェイの4選手が同点首位に。8.11武道館では、内藤とジェイが待望のシングル対決。モクスリーはジュースと、後藤は鷹木と対戦する。同点の場合は直接対決の成績で順位が決まるが、モクスリーは内藤に勝利し、後藤とジェイに敗れ、内藤は後藤に勝利、モクスリーに敗戦、後藤はモクスリー、ジェイに勝利し、内藤に負けている。ジェイはモクスリーに勝利、後藤に敗戦しており、現時点で有利なのは後藤。しかし、内藤とジェイの一戦が鍵を握るのは間違いない。
アメリカのダラスから始まったロングランツアーは日本武道館3連戦を残すだけとなった。12日の優勝決定戦のチケットは既に完売しており、パブリックビューイングが行われる。今年の真夏の最強戦士は誰になるのか。武道館3連戦を大いに期待したい。
(どら増田)