「えっ、オートスロープを見たことないの?ほかの駅駐輪場でも設置されているところがあるはずだよ。楽チンでいいんだよね」と管理室の男性職員が笑う。
同駐輪場には高齢者や小さな子供を抱える主婦らに向けた「駐輪らくらくコール」というシステムもある。利用者は地上入口のインターホンで職員を呼び出して自転車を引き取ってもらい、帰りも同様のやり方で持ってきてもらう。いずれも地域住民の自転車生活をバックアップするうえで先進的な取り組みである。
職員は利用者に必ず声をかけるという。朝方は「おはよう」「行ってらっしゃい」。帰宅時には「おつかれさま」「気をつけてね」など。前出の男性職員は「学生さんが『修学旅行のおみやげ買ってきたよ』と気にかけてくれたり、いろんな人とコミュニケーションできるから楽しい」と話す。
駐輪場は同駅始発から終電車に合わせ、午前4時から午前1時半まで利用可能。定期契約を基本とし、当日利用は1日100円。利用度が高く供給が追いつかなくなったため、昨年11月に地上にも駐輪場を増設した。駅反対側の南口に全自動式駐輪場をつくる計画もあるという。
駅前広場には「みんなで守ろう駐輪マナー」の横断幕がはためいている。迷惑駐輪は1台も見当たらなかった。