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テレ朝もガッカリなほど退屈だった試合 グループC第1節アルジェリアVSスロベニア

 イングランドやドイツなどの強豪国の試合は、現地時間で最も視聴率がかせげる日が陰った時間帯に行われるのがワールドカップ(W杯)の常だ。ここ南アフリカの季節は冬といえど焼けるような日差しが差し込むデイゲームに比べれば、体力的消耗の少ないナイトゲームが多い強豪国はシード扱いといっても過言ではない。

 しかし、地球の裏側の日本ではデイゲームは深夜3時過ぎの放送。サッカー狂にとっては眠れぬ夜が一カ月続くことになる。
 そんなW杯開幕後初の日曜日をむかえた13日、ポロクワネのピーター・モカバでアルジェリア対スロベニアの試合が行われた。
 どちらも欠点はないが特徴もない凡庸な2カ国の試合。ワールドクラスと呼べる選手も見当たらず、見どころといえばインテルが青田買いしたスロベニアのレネ・クーリンぐらい。今大会最もつまらないカードの一つといえる試合だが、放送権を得たテレ朝は日曜のゴールデンタイムの放送に期待を込めて「やべっちFC」の矢部浩之を司会に投入する気合いの入れよう。
 だが試合はというとテレ朝の期待とは裏腹にブブゼラの音色のような単調な内容に終始した。
 両チームとも守備を固めてカウンター狙い。攻撃はロングボールを放り込むのみという古きイングランドサッカーのような退屈な試合内容。イングランドの1強3弱のC組においてグループリーグ突破には両チームとも勝ち点3を狙いに行かなくてはいけない試合なのだが、リスクを冒さず無駄な横パスとバックパスが続く。

 これだけ退屈な内容なら欧州ではスタンドからウェーブが起こる。しかし、スタンドから見えるのはブブゼラとともに踊り続けるファンの姿ばかり。このあたりは陽気なアフリカのお国柄か。
 陽気ではとてもいられなかったのがテレ朝だ。内容のない試合を何とか盛り上げようと実況アナウンサーが「あのジダンのルーツがあるアルジェリアとオシムが今大会のサプライズ候補と押すスロベニア」といううたい文句を呪文のように唱え続ければ、解説のセルジオ越後氏と堀池巧氏も「第1戦らしくお互い慎重な試合運びですね」と言葉を選ぶ。サッカーファンの間ではぶっちゃけ発言で有名な松木安太郎氏でさえ「退屈」という2文字を使わない気の使いよう。

 結局、試合は誰も気づかないうちに後半33分にスロベニアのエース、コレン(WBA)のゴールがあっさりと決まりスロベニアの勝利。巷で噂のW杯とやらをビール片手に見ていた日曜日のお父さんたちにとってはなんの興奮もない試合だっただろう。

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