search
とじる
トップ > スポーツ > 元川悦子のサッカー魔法陣

元川悦子のサッカー魔法陣

 決定力不足が叫ばれる日本代表にあって、救世主というべき存在になりつつあるのが、23歳のFW・岡崎慎司(清水)だ。

 2010年南アW杯行きを決めた、6月の最終予選ウズベキスタン戦(タシケント)の決勝弾をご記憶の方も多かろう。一度GKに当てたボールを頭で押し込むという泥臭さが彼の特徴だ。その後、清水に戻ってからも絶好調で、最近の公式戦は5戦6発。J1では目下10点をマークし、日本人得点王の座をガッチリとキープしている。
 体ごとボールにぶつかるという全盛期の中山雅史(磐田)をほうふつさせる点取り屋に成長した岡崎。だが、05年に高校サッカーの名門・滝川第二高から清水入りした頃は「FW8人中8番目」という低評価。そこからはい上がり、日本代表エースまで上り詰めたのは、10代の頃に培った「雑草魂」があったからだ。

 宝塚のクラブチームでプレーした中学時代は兵庫県選抜入りするのが精いっぱい。「滝川第二のセレクションに参加した中3の時、黒田(和生=現神戸アカデミー事業本部長)監督に『3年になっても試合に出られないかもしれない』と言われました」と岡崎自身、苦い思い出を口にする。
 しかしその1年後、高1になった彼は2つ上の兄とともに高校選手権に出場。兄弟FWとして活躍し、4強入りを果たす。173センチと小柄で、特に速いわけでも、華麗な技術を持つわけでもない岡崎が突然、表舞台に出てきたのは「ゴール」だけに集中したからだ。
 「『お前はなぜか点を取る』と言われたのが、使われるきっかけでした。僕は子供の頃からシュート練習ばっかり。結果を出すことが全てだった。その積み重ねが出たのかな」と本人も笑う。
 最近の日本の選手はパス回しや前線からの守備ばかり意識する傾向が強い。そんな中にあって「一生ダイビングヘッド」という座右の銘を持つ岡崎は明らかに異彩を放っている。雑草魂と得点への強いこだわりは昔と少しも変わらない。
 独特の嗅覚でゴールに迫る岡崎は見ていて頼もしい。今の勢いがどこまで続くのか注目したい。

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ