search
とじる
トップ > 社会 > 町田たんぼの現状

町田たんぼの現状

 “欲望の町”町田…かは知らないが、いわゆる町田の“田んぼ”地帯を筆者が最後に確認したのは、5年前のことだった。丁度その日は、夜に雑誌の取材で横須賀に行く予定が入っていて、その道すがら途中下車して物見遊山に立ち寄ったのである。当時、コンビニ前には援助交際らしき少女、K橋付近には日本人の金髪おばさん、南米系の外国人などがいて、ボーリング場脇・その肝心の田んぼ(ビル内の、小さく店が区分けされた飲み屋街にみえる一角)にも、たくさんの中国人女性がおもに店先に立っていた。その他東南アジア人などもいて、客と離れていそいそと近隣のレンタルルームに移動していく女性の姿も何度か確認した。

 そして2010年5月某日の取材−−。
 田んぼは、つぶれたままだった。入り口の戸は締め切られ、チェーンで立ち入り禁止のようになっていた。
 「本格的な営業はありません。立ちんぼの女性は毎日見廻っています」(警官)という言葉通り、深夜に近くなった時間にパトカーがゆっくりとK橋のたもとに来た。
 女性自体は、明らかにそれらしき中国人女性が、コンビニ前にいた。こうやって場所を移動して摘発を逃れているのだろう。

 こちらもかつて援助交際のメッカといわれた? ボーリング場前だが、その向かいのホテルの外壁には、児童に見える方はお断りしています、という内容の大きなポスターが貼ってある。
 周辺住民の防犯の意識にほうが勝っているのか、あのかっての賑わいはなく、よどんだ不気味な空気の暗闇に、筆者のように散歩する男たちがほかに数名徘徊しているだけだった。貸しルームも、現在はソファー、テーブル、エアコン…といった家財道具が投げ出され、ビル全体が廃墟となっていた。
 「それでも一日も見回りを欠かすことはできません」(捜査員談)
 かつての負の遺産の復活は遠い?(了)

関連記事


社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ