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競輪人国記 京都(5)

 松本整(45期)の弟子の村上義弘(73期=写真)は一時「日本一の先行」と言われた。平成12年のふるダビ豊橋を25歳で制し「村上時代」が来るのでは…と期待されたが、当時は松本整をはじめ中近勢の機関車役を務めていた。

 平成14年から15年にかけて、村上の真価が発揮された。14年には弥彦ふるダビ、そしてGIレースの岸和田全日本選抜を制して競輪グランプリにも駒を進めた。この年、村上は賞金獲得1億円を突破して山田裕仁(岐阜)師匠の松本整に続きランキング3位に上がった。15年には地元向日町ふるダビを制すると、一宮オールスターも獲って賞金ランキングは山田に続き2位に上がった。
 実は村上はぜんそくという持病を抱えている。それだけにハードな練習は無理なのだが、彼はあえてそれに挑戦する。「みんな練習が足りない。プロ選手としての自覚が足りないんじゃないか」と放言、周りのひんしゅくを買ったこともある。
 「追い込みにまわってもいいが、私はまだ先行選手としての限界は感じてない。だから必ず先行します」
 最近の村上は苦しい闘いが続いている。ジャンでカマしても4コーナーからの粘りが足りなくなった。だが、まくりやまくり追い込みで勝っても笑顔を見せない。「逃げ切り勝ち」こそが信条なのだ。
 新人たちのチャレンジから、村上は逆に新人先行で人気の選手をつぶすことに生き甲斐を感じているようだ。
 「先行して近畿や中部ラインを引く。ゴールの結果はあくまでも、その時の結果に過ぎない。自分を信用してくれるラインのために闘います」という村上の気迫は再び花開く日がくるだろう。
 「ストップザ88期」これが競輪選手・村上の意地でもあるのだ。

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