チームを去ったのは、福良淳一ヘッドコーチ(52)、吉井理人投手コーチ(47)、清水雅治外野守備走塁コーチ(48)。2軍ではすでに、真喜志康永内野守備コーチ(52)、大村巌打撃コーチ(43)が退団している。
福良、清水両コーチは、“転職”が決まっており、福良コーチは古巣オリックス、清水コーチはロッテで、ともに同職に就任する。
ただ、吉井コーチの退団は急きょ決まった。3日の試合終了後、吉井コーチは栗山英樹監督(51)と宿舎で会談をもったが、「来季に向けた内容だったけど、自分の考えと監督の考えが全然違うものだった」と平行線をたどった。吉井コーチは4日に札幌に戻って、球団と話し合いをした結果、退団が決まった。
シーズン中から、投手の起用法を巡り、度々衝突してきた両者の亀裂は深まっていた。吉井コーチは「栗山監督と全然合わなくて、チームに迷惑をかけてしまった。オレは世渡り下手だから…。これからは野球だけでなく、そういった勉強もしないといけないね」と語った。
吉井コーチは梨田昌孝前監督(59)が就任した08年からコーチを務め、強力な投手陣つくって、09年、今季と2度のリーグ優勝に貢献。メジャーでの経験を生かした投手への指導には定評があった。
栗山監督は就任時、自前のコーチを一人も連れてこず、球団に与えられたコーチ陣で闘った。1年目での優勝は、これらの有能なコーチの存在があったからこそだ。主力コーチが総辞めした日本ハムは、来季の組閣を急ぐが、適切な人材が確保できなかった場合は、優勝から一気にBクラス転落の危機もはらんでいるといえよう。
(落合一郎)