巨人の本拠・東京ドームで行われた第1戦(10月27日)は4万4981人、第2戦(28日)は4万4932人と超満員の観衆を動員し、ファンが巨人の2連勝を後押しした。
視聴率(以下すべて、ビデオリサーチ調べ、関東地区)も第1戦=17.3%(日本テレビ系列)、第2戦=17.5%(同)と、巨人対中日のセ・リーグCS(クライマックス・シリーズ)ファイナル第6戦(22日)の20.1%(同)にこそ及ばなかったものの、まずまずの数字だった。
ところが、舞台が日本ハム本拠の札幌ドームに移ると、様相が一変した。30日の第3戦の観客動員は3万6942人で、チケットは売れ残り空席も目立った。今季の日本ハムの1試合平均の観客動員数は2万5813人で、これが公式戦なら“大入り”となるが、平日ということを考慮しても、日本シリーズで超満員にならぬとは事態は深刻。
日本ハムは04年に札幌ドームに本拠を移して以降、4度目の日本シリーズ進出となったが、鈍い観客動員に島田利正球団代表は「記憶にない」と語った。今季、日本ハムは3年ぶりに優勝したものの、観客動員は前年対比で6.6%減。12球団全体では、7.0%減のロッテに次いでワースト2位で、この辺と無関係ではないようだ。
一方、テレビ朝日系列で中継(午後6時19分〜9時45分)された視聴率は13.7%と、1、2戦と比べると、大きく落としてしまった。午後9時45分から番組内で、試合を中継した形になった「報道ステーション」(午後9時45分〜11時20分)の視聴率は15.7%で、日本シリーズを上回る皮肉な結果となった。試合は7-3で日本ハムの勝利で、接戦でもないのに4時間4分もかかる長いゲームになったのが、視聴率が低迷したひとつの要因となったのかもしれない。
日本シリーズでも超満員にならない日本ハム。球団は人気を取り戻すための対策に、頭を悩ませることになりそうだ。
(落合一郎)