7月30日に2軍降格後、調整登板で投げてはKOされ続けてきた斎藤。そのなかには、3軍的なチーム編成のフューチャーズ戦もあった。9月13日にはアマチュアの社会人チーム、JX-ENEOSにメッタ打ちにされる惨状だった。
そして、斎藤は25日のDeNA戦(鎌ヶ谷)で、降格後7度目の先発をした。日本ハム2軍のイースタン・リーグ公式戦は30日が最終戦となるため、これが事実上のラストチャンスだった。
これまでとは人が変わったような投球を見せた斎藤は、5回まで1人の走者も出さぬ完全なピッチング。6回は連打で無死一、二塁、7回は一死から2安打、1死球で満塁のピンチを招いたが、持ち前の粘り強い投球でピンチをしのいだ。斎藤は7回を4安打無失点でマウンドを下り、降格してから初勝利を挙げた。
斎藤は「結果は良かった。これまでやってきたことを出せました。野手の人たちもしっかりと守ってくれました」と安堵。島崎毅2軍投手コーチは「1回で判断はできないけど、この内容を続けていけたら」と評価した。
斎藤好投の報を聞いた栗山英樹監督は「いろいろなことを考えている」と、明言こそ避けたものの、1軍再昇格に含みをもたせた。場合によっては先発ではなく、リリーフに回る可能性もある。
25日現在、パ・リーグ首位の日本ハムは、2位・西武とわずか1ゲーム差のし烈なデッドヒートを展開しているところ。1軍の残り試合は8で、斎藤はギリギリでその輪に加わることになりそうだ。
(落合一郎)