福田氏は同日夜に首相官邸で記者会見し、自らの内閣を「背水の陣内閣」と命名。インド洋における海上自衛隊の給油活動の継続、都市と地方の格差の解消などが当面の課題となるが、一部では早くも年内解散、1月総選挙の声も出ているようだ。
「福田康夫、麻生太郎両氏のどちらがなったところで“選挙管理内閣”だった。参院選での敗北の責任もとらなかった首相が、臨時国会開催直後に政権を放り投げた。新総理はテロ特措法の新法案を国会で通過させたら民意を問わなければならないだろう。そうでなければ、国民は納得しないでしょう。それには、『年内解散、1月総選挙』か、予算を通過させてからの解散で『4月総選挙』という線が浮上しています」(自民党関係者)
もちろん民主党は、参院選大勝の余熱が冷めないうちに政権奪取…と、チャンスをうかがっている。自民党の閣僚不祥事や年金問題の不手際が鮮明なうちに総選挙に持ち込みたいと考えているはずだ。
「まずひとつ目は08年予算を通してからの『4月総選挙』で国民に信を問うケース。もう一つは、洞爺湖サミットを成功させ、自民ムードを盛り上げてから解散、総選挙に打って出るケースです。この中で一番可能性が高いのは『1月総選挙』でしょう」(政治ジャーナリスト)
さて、総選挙になったら自民、民主どちらが勝つのか。
「今夏の参院選と前回の衆院選の結果を基に新聞、テレビ各社が行った各政党の予想獲得議席数があるんですが、それによると民主220対自民200という結果が出ているといいます。民主は最大で250議席まで伸びる可能性があるというんです。いずれにしても野党の議席が与党を上回り明らかに政権が逆転する可能性が大きい」(政治部記者)
民主・小沢一郎代表は、早くも総選挙の体制作りに入ったようで、アノ手コノ手の作戦を練っているという。
「小沢代表は小泉チルドレン30人を1本釣りして、民主党に鞍替えさせようとしています。“刺客”として当選した小泉チルドレンは新政権では冷遇されるに決まっていますからね。民主党公認で戦ったほうがいいと思っている人もいるわけですよ。小沢氏は、そこへ手を突っ込んで掻き回そうという魂胆です」(野党担当記者)
自民党にとって厳しい状況は、まだある。
「今度の総選挙の一番のポイントは共産党の票です。共産党は、今度の選挙から全選挙区に候補者を立てません。その票が1選挙区で平均1万5000票くらいあるといいます。それが民主党に流れるわけで野党は断然有利です。場合によっては民主、自民の差がもっと開き総選挙でも自民惨敗という結果になるかもしれません」(野党関係者)
さて、混迷政局はどのような結果になるのか。