本作は、青木祐子氏による同名小説が原作で、経理部で働く主人公・森若沙名子(多部)が、領収書や請求書から社内の人間模様や不正を暴くというストーリーだ。伊藤は本作で、森若の後輩である佐々木真夕を演じている。上司にもタメ口、思ったことをすぐ口に出すが、どこか憎めない天真爛漫なキャラクターである。第1話では、真夕の計算処理が上手くいかず、森若に手伝ってもらうなど、少々抜けている一面が見られた。その後、仕事とプライベートをしっかり分けるポリシーの森若を夕食に誘い、断られても「ダメもとで聞いたんで」と全く気にする様子もなく、独りが好きな森若を尊重するような姿勢を見せた。
視聴者からは「真夕役の女優、どっかで見たと思ったら、元子役の伊藤沙莉か!大きくなったな」「堅物キャラの森若とちょっと抜けてる感じの真夕の掛け合いが好き。伊藤沙莉、どんな役でもぴったりハマるな〜」「真夕ちゃん、森若との距離感わかってるね。こういう後輩がいたら絶対かわいがる…」との声が集まっている。
伊藤と言えば、天海祐希主演の『女王の教室』(日本テレビ)に出演した元子役だ。ただ、それ以降は仕事が少なくなり、ドラマでも小さな役しかもえらないという不遇の時期もあったようだ。しかし、2015年に『トランジットガールズ』(フジテレビ系)で主演に大抜擢され、義理の姉に恋をする女子高生・葉山小百合を演じ話題となった。その後、2017年公開の映画『獣道』では、幼い頃に宗教団体に預けられ、その後不良となって風俗の道を歩む少女・愛衣を演じた。同年放送の朝ドラ『ひよっこ』(NHK系)にも出演し、翌年放送の『獣になれない私たち』(日本テレビ系)では、うっかり者の営業部員・松任谷夢子を演じ、コミカルな演技や作中に見せたキレキレのダンスが話題となり、伊藤が本格的に注目されるきっかけとなった。
「伊藤は、小柄な見た目とは裏腹に、少しかすれたハスキーな声が特徴です。今年7月公開の映画『ペット2』では、その個性的な声を生かし、吹き替え声優に挑戦しています。本作のインタビューで伊藤は、声がコンプレックスであったことを明かした上で、『この声だからこそできることがある。武器として生かしていきたい』と語りました。確かに、本人が気にしている通り、『かわいいセリフや役が似合わない』という問題は、役の幅を狭める要素ではあります。
しかし、彼女の声に魅力を感じる人が多いのは確かです。『これは経費〜』の視聴者からも、『伊藤沙莉のハスキーな声がクセになる!』『一度聞いたら忘れられない声』と好評の声が挙がっています。彼女の声は、彼女自身を印象付けるための良い個性となっているのです。最近は“クセの強い後輩役”が定着している彼女ですが、今後はその個性をさらに生かして、演技の幅を広げていくでしょう」(ドラマライター)
今年の出演ドラマはすでに4本という、今や売れっ子女優の伊藤。公式ツイッターのフォロワー数は15万人に迫っており、さらに今年10月に公開される夏帆主演の映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』や、同11月に公開される二階堂ふみ主演の映画『生理ちゃん』にも出演予定だ。今後も、伊藤のさらなる活躍に期待したい。
記事内の引用について
伊藤沙莉公式ツイッターより
https://twitter.com/sairi_ito?lang=ja