舞台上にメラメラと燃え 盛るような炎が揺らいでおり、そのなかに牛抱の姿が見える。
炎は舞台のてっぺんまで伸びており、なんとも異様な写真である。
一点、お断りしておくが、この写真特殊な撮影や加工をしたものではなく、牛抱の携帯電話で 撮られた、そのままの写真である。一体なぜこのような写真が撮られたのだろうか…?
不気味に感じた牛抱は風水師・霊能者のあーりん女史へメールで写真を送り鑑定をお願いした。
「一見、炎を撮影した時のシャッタースピードの問題か手ぶれなど技術的要素に見える写真ですが、妖怪化した人々の魂の塊のような霊を感じます。画像からも熱気を感じます。
牛抱さんの後方に二体、大きめの顔があり、牛抱さんがそれらに絡まれている様子で、それの具現化のような写真です」
確かに写真をよく見ると中央に写っている牛抱の右側に赤い顔のようなものが見える。その顔はどことなく妖怪・大首か、巨大な老婆の顔のようにも見える。
さらにあーりん女史は牛 抱に対しこう忠告をしたという。
「場所も霊気が強い場所ですがご本人に憑いてる要素が強いみたいなので、根本をどうにかしないといけない部分があります」
事実、牛抱はこの写真が撮られた前後、息が苦しくなる、眠れなくなるなど謎の体調不良に襲われており社長である山口敏太郎へ度々相談していた。
一体、牛抱せん夏の身に何が起こっているというのだろうか…? 夏も本番になり、怪談師・牛抱せん夏の活動もますます盛んになる季節である。やはり怪談師は生きている限り霊と戦いを続ける運命なのだろうか…?
(山口敏太郎事務所)