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インフルエンザ・テロの恐怖

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画像はイメージです。

 最近、新型インフルエンザの話題がニュースなどで扱われることが目立ってきた。通常、かぜの一種として軽く考えがちなインフルエンザだが、実際は一般の想像を超え深刻な事態を迎えている。年を追うごとに進化してゆくウイルス。そして最近になって新たな警戒が必要となってきたインフルエンザ・テロとは何か?今回のNMRでは恐怖のインフルエンザクライシスについてリポートする。
 「実は、インフルエンザの名付け親は日本人の北里柴三郎なのですよ。意外と知られていないのですが…」
 私たちはある大学の助教授にインフルエンザについてのレクチャーを受けていた。皮肉なことにその助教授も今年のインフルエンザに感染しているらしくひどく体調が悪そうであった。助教授の話によると、いわゆるインフルエンザは古代エジプトの時代から存在していたらしい。しかしインフルエンザ菌の発見は19世紀であり、それ以前のかぜの流行についてはインフルエンザなのかどうかを判断する材料がないのだという。よって、記録に残るインフルエンザの世界的大流行は1918年の「スペインかぜ」となっている。
 「スペインかぜ」はスペイン発症のインフルエンザという意味ではない。第1次世界大戦の真っ最中の当時、戦争に参加していなかったスペインでは、軍部の検閲を受けることなくニュースを報じることができたためスペイン発の情報として「スペインかぜ」と呼ばれているのだ。
 「アフリカで発症したスペインかぜは6億人に感染し5000万人が死亡するほどの猛威となりました。実は、このスペインかぜの本格的な解明は1997年にスペインかぜによって死亡した遺体がアラスカの永久凍土から発掘されて始まります。なんとわずか10年ほど前の話。そして、甚大な被害をもたらしたこのインフルエンザの正体はトリインフルエンザが人間に感染し、それが変異して流行したという可能性が強まったのです」
 トリインフルエンザ。最近よく耳にする単語である。トリインフルエンザに感染した養鶏場の鳥をすべて処分する凄惨な映像は鮮烈に焼きついている。しかし、なぜ保健機関はトリインフルエンザをそれほどまでに警戒するのだろう?

 「単純に、トリには国境がないので病原菌が世界に散らばってしまうというのが一つ。あとは、ヒトには感染しないと思われてきたトリインフルエンザですが、一度もインフルエンザにかかったことのない人間には感染しやすいことなどが分かってきました。さらに、感染したトリインフルエンザが変異を起こしヒトインフルエンザよりはるかに強い毒性を帯びるのです。喉や鼻の粘膜に炎症を起こすヒトインフルエンザに比べトリインフルエンザは内臓に炎症を起こします。また罹患速度が早くすぐに症状が重くなるのです」
 そしてこの助教授は「この人に話を聞くと面白い話が聞けますよ」とある人物を紹介してくれた。その人物は絶対に名前を明かせないとある情報機関に属する人物であった。インフルエンザと情報機関。この二つにどのような因果関係があるのだろうか?
 「タミフルを代表とするインフルエンザのワクチンが世界的に不足しているのはよく知られていますが、それはインフルエンザ自体がいまだ解明にいたっていないのが原因なのです」
 その人物は真剣そのもの表情で私たちに語る。
 「インフルエンザのワクチンを作る際、同じタイプの毒性の弱い物を培養して使いますが、最近のインフルエンザはすべて感染力と毒性が強く非常に危険なものです。この培養したインフルエンザ菌にテロ組織が狙いをつけているという情報があります」
 なんと!世界のテロ組織はインフルエンザ菌にまで狙いをつけていたのだ!しかし、インフルエンザ菌でテロ行為などできるのだろうか?
 「細菌テロをシミュレーションするとインフルエンザが最もコストのかからない方法なのです。強力な毒性のインフルエンザに感染し死亡した遺体を数体野ざらしにして鳥につつかせるだけで、あっという間に世界に広がります。触媒にトリを使うことで人間の間で流行する際には恐ろしい毒性を帯びたものになるでしょう」
 世界ではインフルエンザが、それほどまでに危険な物と認知され、警戒が必要とされているという。インフルエンザはもうかぜの一種ではない。3日以内に人間を死に至らしめる可能性を秘めた「死のウイルス」なのだ。

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