ただ理不尽な怒りではなく、「クソみたいな番組を作るな」といった番組の制作体制に対する愛のある助言であり、スタッフからの信頼も厚いようだ。タレントがスタッフに怒る例は、ほかにもある。
「過去には、ダウンタウンが『ごっつええ感じ』(フジテレビ系)で収録をボイコットしております。ゲームコーナーのセットが指示通りにできていなかったことに松本人志が怒り、収録をボイコット。これにあうんの呼吸で相方の浜田雅功も同調しました。これは一度の事件ではなく、これまで番組スタッフに対して募っていた不満が爆発した形となりました」(放送作家)
その後、両者の関係は修復されず、スペシャル番組をプロ野球中継に差し替える事件が松本の怒りを買い、番組は終了してしまう。『ごっつ』の場合、番組打ち切りであったが、あの大物芸人は放送局自体への出演をボイコットした。
「明石家さんまですね。若手時代に、野球の話を収録したところ、生放送のプロ野球中継の間に編集して用いられ、その場にいるかのように扱われたことに激怒し、ニッポン放送への出演をボイコットしました。系列のフジテレビの番組には出るのに、ラジオには出ない状態が長らく続き、昨年29年ぶりに『君に耳キュン!雪どけ 春の大作戦 明石家さんま オールニッポン お願い!リクエスト』で出演を解禁し、話題となりました」(前出・同)
良い番組作りの根幹には、出演者とスタッフの信頼関係がなによりも大事なのは確かだろう。