武藤敬司プロデュース、プロレスリング・マスターズ8.30東京・後楽園ホール大会のメインイベントとして、出場が発表されていた武藤と獣神サンダー・ライガーに、衆院議員の馳浩が加わり“最初で最後の”トリオを結成する。対するは新日本プロレスの永田裕志、中西学に、現在は文京区議である西村修だ。90年代に新日本の道場で苦楽を共にした3人がトリオを結成し、時代を超えた世代闘争を繰り広げる。レフェリーは当時、新日本でメインレフェリーを務め、アメリカでも引退へのカウントダウンが始まっているタイガー服部だ。
武藤とライガーは階級が違うこともあり、あまりタッグを組む機会が少なかったが「アイドルタッグ」として、ファンの支持を受けていた。武藤と馳はIWGPタッグ王座を獲得したり、BATTというユニットを立ち上げたこともあった。馳は引退しているが、武藤が社長を務めていた時代の全日本プロレスや、マスターズではたびたび一夜復帰、議員会館のジムでトレーニングしていることもあり、現役時代と変わらぬ動きを披露している。ライガーが初めてIWGPジュニアヘビー級王座を獲得したときの王者が馳。この試合で敗れた馳はヘビー級に転向し、それぞれが光り輝く時代を築いていった。
第三世代は馳や引退した飯塚高史、佐々木健介が道場でコーチをしていた時代に入った選手ばかり。永田や中西はアマレスの大先輩でもある馳の指導を受けている。西村は全日本でも武藤と行動をともにしていた。ライガーと西村も久々の対戦だ。今大会には、天山と小島もT-2000のメンバーとして出場が決定。新日本プロレスは、ライガーと第三世代の4選手全員を派遣した。あまり他団体や新日本主催でない大会に選手を貸さない新日本だが、長州力のファイナル興行(6.26後楽園)にも真壁刀義と石井智宏を派遣するなど、新日本と縁のある大会には選手を派遣している。今回も来年1月のライガーの引退が迫っていることに配慮したと思われる。
既にチケットは完売しているが、チケットを早めに購入したファンには、長州のファイナル興行に続いて、東京ドーム大会を年に3回行っていた“あの頃”の熱を取り戻してもらいたい。
※文中敬称略
取材・文・写真 / どら増田