昨年の牝馬3冠すべてで1番人気に支持されたほど、アドマイヤキッスの潜在能力は高く評価され続けてきた。残念ながら冠には手が届かなかったが、あれだけオープン馬を多数抱える松田博師が「素質ならキッスが一番」とアドマイヤムーンなどの同期以上にこの馬を買っていた。
その思いは変わっていない。昨年の愛知杯以来勝ち星から遠ざかっているが、春には安田記念4着など男馬相手に見せ場たっぷりのレースぶり。史上最強世代ともいわれる3歳馬にも五分の勝負ができる下地を持っている。
3着だった前走の府中牝馬Sにしても、「内枠でスタートして押し込まれるような展開になった。自然と位置取りが悪くなってスムーズさを欠いたから」と敗因ははっきりしている。直線は上がり3F33秒8の末脚で追い込んだだけに内容は悪くなかった。
「状態は変わりなくきているからね。3歳馬は強いといわれているけど、以前ほど距離の不安もなくなっているから今なら二二でも心配ない。何とか頑張ってほしい」
鞍上は岩田騎手。武豊騎手と激しいリーディング争いを繰り広げる名手がどう導くか、そこも注目だ。
【最終追いVTR】高田騎手を背に、栗東DWコースで6F83秒5、上がり3F39秒5→12秒3。4歳1000万のアドマイヤレグルスを後方から追走。4角で馬体を併せに行き、ラスト1Fで鞍上がスパートをかけると鋭く反応、一瞬のうちに併走馬を2馬身突き放してフィニッシュ。この馬らしい切れ味を披露した。