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ハアさんの厩界舞台裏 ブレイクランアウトの織田厩務員がV宣言

 牡馬3冠の最終関門「第70回菊花賞」(JpnI・京都芝3000メートル、25日)は傑出馬不在。どの馬にもチャンスがあるが、最大の惑星は東のブレイクランアウトだ。古馬のGI馬キャプテントゥーレを相手に大接戦を演じた朝日CCは、この馬の成長を如実に物語っていた。“エリート厩務員”織田洋平さんも、最終追い切りを終え、自信が確信に変わったようだ。

 厩務員や助手の定年は65歳。それまでに重賞を勝つ人、勝てない人を比較すると、後者の方がはるかに多い。
 そんな厳しい勝負の世界で、ブレイクランアウトを担当する織田洋平厩務員は、強運の持ち主といえるだろう。キャリアはまだ4年だが、桜花賞馬キストゥヘヴンとブレイクで重賞を5勝もしている。
 しかも、桜花賞を勝った時は、厩務員になってまだ1年も経っていなかった。「あの時はテンパッちゃって、夢心地でした。記者さんの取材を受けても、こんなに落ち着いて対応できなかったと思います」。織田さんの脳裏を、当時の光景が走馬灯のようによぎる。

 あれから3年、今は周りの状況がよく見え、的確にライバルの戦力分析もできるという。「今年はディープインパクト級の馬はいない。有力といわれる馬にもそれぞれ弱点があるでしょう」と意欲を燃やす。
 飛躍の秋を迎えて、ブレイクは随分たくましくなった。昨年の皐月賞馬キャプテントゥーレとクビ差2着の接戦を演じた朝日CCが、それを物語っている。
 一番成長したのは、「心臓が丈夫になり、追い切り後の回復が早くなった」ところだという。織田さんは頼もしそうに馬の顔をなでた。
 体力の強化につれ、折り合いも進歩した。「ケイコは馬の後ろで我慢して、乗り役の指示通りに動けている。前走も掛かる場面は全然なかったですから。今なら、三千も克服できるはず」
 前走で長距離輸送を経験し、仕上げのノウハウをつかんだのも大きい。織田さんは最後に、こう締めくくった。「心配な点は何ひとつない。力を出し切ればチャンスは十分あると信じてます」

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