外国人記者らは東京の技術力の高さや治安の良さを挙げる一方で、海外では“ウサギ小屋”と揶揄される日本の室内の狭さは不満らしく、「今朝はよく眠れなかった」と笑った。グローバル目線で東京を視察した外国人記者らは、現時点でどの候補地を有利とみているのか。
スペインのEFEスペイン通信社東京支局のイザベル・コンデ記者は招致委員会がアピールする「8キロの中に97%の施設が入っている」という東京のコンパクトさを高評価。「マドリードはもっと会場間の距離が遠い。東京みたいにクローズにならないと厳しい。私は東京が勝つと思う」と語った。
一方で、視察コースが東京湾のベイエリアが中心だったのが原因か。お台場など日本人にとっては再開発ですっかり最先端の街となったベイエリアが、海外メディアには空き地ばかりの未開の地と見えたらしく、アメリカのエド・フラー記者は「ここは東京の郊外だ。シカゴの方がもっとクローズだ」と語った。
本紙が複数の海外メディアの評価を集計した結果、下馬評ではトップはシカゴ。東京は2番手だった。
そんなあと一歩の東京の応援に、2000年のシドニー五輪女子マラソン金メダリストのQちゃんこと高橋尚子さん(36=写真)がついに一役買うことになった。国立霞ヶ丘競技場で評価委員らを出迎えた後、Qちゃんは報道陣を前に「評価委員の方々の笑顔と周りをしっかり見てくださったしぐさから大丈夫だと期待したい」と手ごたえを感じていた。
同日付で石原知事からオリンピック・パラリンピック招致応援ランナーの委嘱を受けたQチャンは、「5月ごろに国立競技場からニュースタジアム(予定地)間の直線距離約10キロをみなさんとジョギングしてアピール」したいと意気込んだ。(関 淳一)