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スポーツ界「パワハラ」裏にある血みどろ権力闘争②

追い込まれた“権力者”たち
 ウエイトリフティング協会は、三宅義行会長を始めとする幹部に法政大学の出身者が多い。内規違反を指摘した古川氏は慶応大学を指導してきた。駅伝の渡辺元監督にしても、日体大が再起のチャンスを与えたのは、同大学のOBだからだという。いまだ続く体操協会のゴタゴタにしても、塚原夫婦の朝日生命対日体大の覇権争いのような構図にすり変わってしまった。
「スポーツ団体のトップになると、どんなうま味があるのかと聞かれれば、まず金銭的な儲けはありません。でも、名誉職なのでなりたい人はゴマンといます。自分の生きてきた競技の世界のトップになるということは、ある意味で支配者になるようなもの。現役引退後、指導者になったOBがミスをした選手を罵倒し、殴るのは、自分が支配者になったと錯覚しているのでしょう」(飯山氏)
 パワハラで失脚した権力者の中には、すでに捲土重来を期して動き始めた者もいた。
「ボクシングの山根明前会長(78)はすべての役職を追われたが、個人視察で海外の大会会場に向かっている。国外のボクシング有力者との関係をさらに強化してくれば、日本のアマチュア選手が海外の大会に出場する際にまた口出ししてくるでしょう」(関係者)
 ボクシング連盟は9月8日に臨時総会を開き、宮崎県連の内田貞信氏(45)を新会長に選出した。
「不動産などの事業をされている人なので、マスコミにも腰が低い」(前出・体協詰め記者)
 その一方で「大丈夫か?」と懸念する声も出ていた。内田氏自ら会見で明かしたのだが、強要、恐喝で逮捕された過去があり、'15年には高裁で「懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決」を受けている。新理事メンバーは了承済みとのことだが、ボクシング連盟の告発は、助成金の不正流用や反社会的勢力との交友だった。
「日本オリンピック委員会の橋本聖子副会長にも最高顧問就任を打診しているそうです」(同)
「奈良判定」なる試合中の不正を正すだけでは組織刷新とはいかないようだ。
“権力者”といえば、体操協会の塚原夫婦は作戦変更を余儀なくされた。
「第三者委員会による調査が決まると、塚原夫婦はダンマリを決め込みました。しかし、光男副会長(70)はテレビ、千恵子強化本部長(71)は週刊誌に出て、自らの釈明を始めた。誤算だったのは、光男氏のほうです。最初に出演したフジテレビ系の番組では宮川紗江選手サイドの所属企業との二重契約問題を明かし、世論の見方も少し変わったんですが、次に出演した日本テレビ系の番組出演は完全に失敗でした。出演の理由を問われ、騒動を収めるためと答えたところ、『当事者が喋ったら、また騒ぎになるのでは?』と返され、そのあとは非難されっ放し。光男氏は『二度とテレビには出ない』と怒っていました」(体操関係者)
 塚原夫婦は第三者委員会の調査終了までの間、体操協会から「職務停止」を通達された。通達がされた9月10日が、宮川選手の19歳の誕生日だったのは、単なる偶然か…。テレビ出演での誤算を知ったからか、宮川サイドの弁護士は第三者委のメンバー変更要求の追撃も行った。
「第三者委の委員長を務める弁護士は、朝日生命が株主となっている企業の顧問弁護士です。日本大学のアメフト問題では日大が選んだ弁護士グループが公平な調査報告をし、内田正人前監督を排除にまで追い込みましたが、宮川サイドの言い分にも一理あります」(同)

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