最近、雑誌などで盛んに取り上げられている仏像。多種多様な仏像の造形美に心奪われる人は多く、着実に人気を獲得しつつある。その中でも男性人気が高いのが「明王(みょうおう)」と「天(てん)」で、これらの仏は仏教を信仰するものを守護したり、ある時は煩悩に染まった人々に罰を与えるとされていることから、荒々しく造形されているものが多く、そのスタイリッシュなデサインが30代〜20代を中心にファンを形成している。そこで購買層の被るフィギュア業界は商品化して話題を得られないかと早くから注目していたのだが、仏像のように複雑な造形が多いものでは、完成度の高いフィギュアをなかなか作ることが出来ず、商品としてユーザーの満足がいく物が発売されない現状があった。そんな中、今回、海洋堂が発売した帝釈天が登場し状況がかわったのだ。
特撮系のフィギュアの成形技術で評判が高い同社らしい造形の細かさ、彩色の綺麗さなどがらホビーイベントなどの企画展示で発売前から話題に。しかも、間接部を動かして自由ポージングできる可動フィギュアというユニークさも手伝い予約が殺到。ようやく仏像ブームがフィギュア業界にも到来したといえるだろう。
海洋堂は帝釈天の他にもこのリボルテックタケヤシリーズで仏像フィギュアを発売していくようで、人気がこのまま続けば他のメーカーも仏像をシリーズ商品化する可能性も高い。この人気で仏象がフィギュアとして定着すれば、これまで特撮、アニメなど版権モノが中心だったフィギュア業界に新たな選択肢が登場することになる。これは革新といっていいだろ。今後の動きがどうなるか、期待したい。(斎藤雅道)
画像:海洋堂HPから http://www.kaiyodo.co.jp/revoltech/takeya.html