というのも、平清盛が活躍もと、平家の台頭期の歴史小説というのは殆どなく、今まであまり手がつけていない時代で、狙い目ではあるのだが、あまりに一般的な関心が少なく、誰も手を出せずにいた時代でもあるのだ。それが今年の大河で脚光を浴びるにことになり、状況が変わる兆しが見えてきたという訳だ。
元々、歴史好きなオタクが多いことと、歴女などの登場のより、現在サブカル業界での戦国、幕末ブームは長期化をみせている。この人気が続く限りは、この2つの時代をメインにグッズや作品の展開をしていきたいというのが業界の判断だが、最近は戦国、幕末を扱った商品や作品が飽和状態。いつ飽きられるか分からない危機感もある。その2大コンテンツ頼みの状況を打開するのに今回の『平清盛』ほど貴重な存在はないとのことだ。
大河ドラマで平安末期の激動の時代が知名度を高めれば、グッズや作品展開もしやすくなる。大ヒットすればその後の源平争乱の時代まで結び付けられ、今のブームをつなぎ止める重要な時代となることは間違いない。例を挙げるとするならば。ゲーム会社「コーエー」の無双シリーズなどで「源平無双」が可能になるはずだ。「戦国無双」でも伊達政宗、真田幸村と全く違う年代に活躍した織田信長や毛利元就が出てくるのだから、「源平無双」でも、時代をさらに広げ、平将門や源義家などを登場させたって問題ないはず。ヒットすれば負けじとカプコンも「源平BASARA」などというものを出すかもしれない。きっと、BASARAだと後白河法皇は絶対モンスターかロボット扱いなりそうだが…。
しかし、そんなサブカル界の期待を裏切るかのように、当の大河ドラマの『平清盛』は、初回の視聴率はイマイチ。砂埃が舞う作中の演出も一部では汚いなどの不満が上がっている。しかし、作品の展開としては清盛が時代の表舞台に立ち、面白くなるのはこれから。まだ、期待は持てるだろう。個人的にも戦国、幕末推しは飽きてきた感もあるのでぜひこの作品には成功してもらいたい。(斎藤雅道)