「今日初めて行く病院に行ったんだけど、わたしのカルテがあった。二年前に来ている、とのこと。確かにわたしの保険証のコピーはあったんだけど、もっと前に住んでた住所での保険証だった。それに一回来た場所、特に病院なんて忘れない。でも先生や待合室も全く記憶がない」
この発言が投下されたのは先月の15日。さらに別の投稿では「本当に一度も行ったことのない、近寄ったこともないところからわたしの三年前の落とし物が見つかったと連絡がきたよ。乃木坂に入る前のもの。確かに間違いようのない、わたしのものだった。三年越しで見つかったよ」と語った。
つまり橋本奈々未のドッペルゲンガーが、今もこの世のどこかで徘徊しているのである。そしてこの現象にこそ彼女を落とす糸口がある。
橋本奈々未を落とす方法、それは自分も橋本の分身になってしまえばいいのである。すでに橋本奈々未は2人いるのだから、もう1人くらい増えても大した問題ではない。
乃木坂46といえば最近はスキャンダル続きであり、これ以上の問題は起こしたくないと考えているはず。しかし年頃の彼女達、“気づいたら片思い”な状態を避けることは難しい。もしも橋本が男性との不適切な関係を週刊誌に撮られてしまった場合、その窮地を救えるのはドッペルゲンガーだけである。
まず橋本の熱愛写真が週刊誌に掲載された場合、そこに写っている服装のブランドから小物までを徹底的にチェックし、すべてを取り寄せる。そして橋本と自分の体型が違うのならば脂肪吸引などで引き締め、ほかにも脱毛、豊胸などの美容整形にも貯金を惜しまず使い、肉体改造しよう。もちろん髪型も彼女と同じようにカット。それでもまだ不安が残るので、ものまねメイクのざわちん先生に大金を積み、マスク姿の上に橋本風メイクを施してもらえば完璧である。
あとはそれらの格好で自撮りをし、ツイッターにアップ。
“ちょwww あの週刊誌、ななみんじゃなくて私の写真載せてんだけどwww”
と、このようにツイートすれば、書き込みと共に画像は瞬く間に日本中へ拡散。「ああ、あれは橋本じゃなくてドッペルゲンガーの方か…」と世間が認識することで、橋本奈々未の禁断の恋愛はなかったことになるのだ。
とはいえ運営側によって橋本と写真を撮られた男とは別れさせられるだろう。そんな寂しい思いをしている彼女からある日、ツイッターにダイレクトメールが届く。
「ドッペルさんはじめまして。3年間も落し物を探し続けてくれたり、スキャンダルを庇ってくれたりと、いつも私を見守っていただきありがとうございます。今度お食事でもどうですか?」
メールにはこのような感謝の言葉が綴られているはず。あとはそこから関係を築き上げていこう。
というわけでトップアイドル橋本奈々未と繋がる方法は今のところこれ以外にない。健闘を祈る。
(文・柴田慕伊)