交通博物館が所蔵していた展示車両や貴重な資料は、埼玉県さいたま市に昨年10月オープンした「鉄道博物館」に移管された。鉄道ファンならずとも楽しめる内容で連日大賑わいという。
つまり秋葉原の跡地に残っているのはハコだけなのだが、都心の一等地で取り壊されていないのは気になる。千代田区に取材すると「あれは建物も土地もJR東日本さんの財産なんですよ。跡地活用はJRが検討し、整備していくと聞いています」との回答。ならばとJR東日本に聞いた。
「交通博物館の跡地活用ですか?時期も含めてまだ決まっていないんですよ。そもそもは博物館としての機能を充実させるために移設したもので、いまの鉄道博物館の敷地は相当広くなりました。旧建物はおそらく取り壊すことになろうかと思います」(広報)
どうやら鉄道博物館の別館扱いや関連施設として残る道はなさそうだ。
一方、すぐ近くの国道17号万世橋には「汽車」をデザインしたガードレールがあるが、これも意味がなくなってしまう。国土交通省の万世橋出張所は「交通博物館がなくてもガードレールのデザインを変更する予定はありません」とのこと。アキバを聖地とあがめる鉄道ファンには、名残りが残るのはせめてもの救いかもしれない。