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松坂中日入りでホークス投手陣がトバッチリ?異例の少数精鋭キャンプ強行

 1月25日、12球団監督会議が開かれた。そこでもっとも多く発言し、「強い存在感」を見せたのが、福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督(54)だった。
「実は、工藤監督と中日の森(繁和=63)監督がどんな挨拶をするのかに注目が集まっていました。そう、松坂(大輔=37)を解雇した側と救済した側がどんな会話をするのか…。松坂にとって森監督が西武時代にお世話になった投手コーチならば、工藤監督にとっても、現役時代に薫陶を受けた恩師ですからね」(球界関係者)

 工藤監督は今季から導入される「リクエスト」などの新ルールに関する詳細な説明を求め、さらに「申告敬遠制」や「2段モーション」といった変更されるルールについて、NPBの担当職員を質問攻めにしていたという。とくにリクエストに関する質問は鋭かったそうだ。「一死、走者一、三塁の場合…」と具体的なケースを挙げ、
「ビデオ検証で一塁走者がセーフになったら、どういう状況でプレーが再開されるのか?」
 と、詳細な説明を求めていた。
「工藤監督の質問に担当職員は答えきれず、『審判団が判断する』と逃げていました。そのやり取りを見て、森監督は笑っていました」(前出・同)
 会議室での様子を伺う限り、両者は良好な関係のようだが、ソフトバンクは「松坂退団」のトバッチリに眉をひそめていた。松坂は3年間で1度しか一軍マウンドに立っていないが、中日の入団テスト受験とその合格が報じられて以来、世論は「松坂がかわいそう」となり、ソフトバンクが悪者のように扱われている。その影響だろうか。工藤監督は例年とは違う「投手陣のキャンププログラム」を立てていた。

「12球団監督会議の前日、工藤監督は少数精鋭型のキャンプをやると発表しました」(スポーツ紙記者)
 どのチームもそうだが、2月1日のキャンプインに先駆け、一軍スタートとなる選手とそうではない選手の振り分けをする。これまでのソフトバンクは20人強の投手を主力組のA組に組み込み、ここから振り落として行くサバイバル形式だったが、今回は違う。投手は一軍戦の試合登録とほぼ同じの14人とし、キャンプ後半から数人を入れ換えるか、補充する方法に切り換えた。
「14人のなかには外国人投手3人も入っています。彼らは途中参加なので、実際は11人しか一軍にいないという計算になります」(前出・同)
 ソフトバンクの投手たちも、これには驚かされたようだ。昨秋キャンプで工藤監督は田中正義や高橋純平といった若手投手を徹底的に鍛え上げた。これまで、こうした「個別指導」を受けた若手は一軍キャンプに振り分けられ、開幕ローテーション入りなどのチャンスももらってきた。東浜、千賀がそうであり、「今年は田中と高橋が」と予想されていた。しかし、田中、高橋の2人は二軍スタートとなってしまった。
「這い上がって来い」のエールといえば聞こえはいいが、こんな見方もされていた。

「松坂の復活なんてアテにしていなかった、それくらい、投手層が厚いんだというメッセージにもなりました」(前出・関係者)
 投手だけではなく、野手陣の層も厚い。しかも、若い選手が多い。松坂がソフトバンクに残って復活を目指したとしても、登板のチャンスは巡ってこなかっただろう。見方を変えれば、松坂の退団選択は間違いではなかったのかもしれない。
「森監督と工藤監督は談笑も交わしていましたが、松坂の話題は出なかった」(同)
 ソフトバンク在籍の3年間は、ほぼリハビリで終わったと言っていい。松坂獲得に批判的だった中日の関係者は「肩の故障よりもスタミナが心配」と話していた。新人時代を知る森監督も分かっていたはず。「引退の花道」をかつての恩師が用意したというのが、大方の見方。工藤監督は松坂の合格を発表されたときにエールを送っていたが、真意は分からない。「引退の花道」説もそうだが、こうした雑音を封じ込めることができるかどうか、キャンプで明らかになる。

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