海外ニュースサイト『Mirror』と『INDEPENDENT』は2016年にイタリア南部で休暇を過ごしていた女性が、滞在先のホテルの従業員から集団で性的暴行を受けた事件で、容疑者らが逮捕されたと2018年5月15〜18日にかけてそれぞれ伝えた。
記事によると、被害に遭ったのは当時50歳のイギリス人の女性。2016年10月、女性は当時25歳になる娘と2人でイタリア南部のソレントで休暇を楽しんでいた。事件は旅行の最終日に発生した。
女性と娘がホテルのバーにいたところ、バーで働いていた従業員の男2人から、酒入りのショットグラスを贈られたという。この飲み物にはデートレイプドラッグが入っていたとみられ、口にした娘は吐き気を催し、ホテルの部屋に戻った。これが不幸中の幸いとなり、娘は被害に遭わずに済んだ。女性もドラッグの影響で嘔吐しながらも意識はあったようだ。女性は、まずプール近くの小部屋に連れていかれ、先述のバーの従業員2人に性的暴行を受けた後、従業員用の宿舎に連れていかれたという。宿舎ではこの従業員2人の仲間が複数名、全裸で待ち構えており、集団で女性に性的暴行を加えた。女性は、「その場には少なくとも10人はいたと思います」と『Mirror』の取材に対し語った。
女性は精神的ショックが大きく、イタリアでは警察に通報できなかったが、帰国してからイギリスの警察に被害を相談。レイプ検査キットを使用してDNAを採取したという。同時に血液からデートレイプドラックも検出されたそうだ。
イギリス警察はこのDNAサンプルをイタリア警察に送付。イタリア警察協力のもと、容疑者5人が逮捕された。女性から採取されたDNAが、容疑者5人のものと一致したという。5人は18歳から21歳の若者で、事件当時は全員ホテルの従業員だった。彼らは犯行の様子を携帯電話で撮影しており、グループチャット上で写真や動画を共有。メッセージのやり取りをしていた。このチャットや写真も、容疑者の逮捕の決め手になったという。
このニュースが世界に広まるとネットでは「計画的で鬼畜な犯罪者だ」「何度も性的暴行を受けた女性の気持ちを思うと涙が出る」「娘さんもショックだろう」「楽しい思い出を作るはずが最悪な記憶になってしまって本当に気の毒」などの声が寄せられた。
事件のあったイタリア南部ソレントは、ナポリ県の海岸沿いに位置しており、美しい景色の広がる有名なリゾート地である。アマルフィ海岸や、カプリ島へアクセスできる人気の観光地でもある。
イタリアを訪れる外国人観光客は年間約6000万人おり、日本を訪れる外国人観光客のほぼ倍の人数だ。さまざまな世界各国のデータを調査する「ワールドデータアトラス」が発表した「2016年殺人発生率」(10万人あたりの殺人件数)によると、イタリアは0.7人で、日本は0.3人となっている。「2016年自家用車盗難率」(10万人あたりの自家用車盗難件数)の項目では、イタリアは264件。国別ではウルグアイに次ぐ2位にランクしている。イタリアでは、殺人事件などの凶悪事件は少ないが、盗難などの犯罪はかなり多く発生していると言えそうだ。
昔からマフィアの拠点のある南部の方が治安が悪いとされていたが、都市別に見ていくと、盗難などの犯罪は、むしろミラノやボローニャなど北部都市での発生率が高い。性犯罪も、ボローニャ、続いてフィレンツェと北部の都市での発生率の高さが目立つ。殺人や組織犯罪などの重犯罪となると、ナポリ、カタルーニャなどの南部の都市での発生率が高くなる。旅行の際には、治安の悪い地域には一人で行かない、貴重品に気を付けるなど、細心の注意を払いたい。
日々の疲れを癒やすために、休暇先のホテルはリラックスする場所にしたいもの。ホテルの従業員が宿泊客に性的暴行を加えるなど絶対にあってはならないことだ。
記事の引用について
Daughter of British tourist, 50, 'drugged and gang-raped in Italy' spared same fate because she was vomiting in hotel room(Mirrorより)
https://www.mirror.co.uk/news/world-news/daughter-british-tourist-50-drugged-12559786
Tourist gang raped on Italian beach as boyfriend is savagely beaten(INDEPENDETより)
https://www.independent.co.uk/news/world/europe/woman-gang-raped-drugged-italy-hotel-staff-arrested-meta-di-sorrento-naples-a8352436.html
2019年夏休み (7月15日〜8月31日) の旅行動向(JTB)
https://press.jtbcorp.jp/jp/2019/07/2019715831.html