海外ニュースサイト『Mail Online』は12日、ロシアで計算や論理的思考を司る「左脳」がないまま生まれ育った60歳の男性が見つかったと報じた。男性は、めまいや頭痛のため病院を訪れ、CTスキャンを撮った際に左脳がないことが発覚。男性は母親の胎内にいる時に、おそらく血液循環の問題で脳が正常に発達せず、左脳欠損につながったのではないかとみられている。もし、妊娠当時に母親が胎内スキャンを受けていたならば、出産をあきらめるよう説得されたケースだということだ。しかし、子供のころから現在に至るまで、男性に健康上の問題はなく、それどころか自覚症状すらなかったそうだ。また、男性は大学で学位を取得し、エンジニアとして働いていたという。男性が日常生活を送れていたのは、右脳が左脳の役割も果たしていたからではないかと、担当の医師は推測しているという。脳を調べさせてほしいという医師の願いを断り、男性は「世間に注目されたくない」として匿名を貫いているそうだ。
このニュースに対し、ネット上では「信じられない。こんな状態でも人間は生きていけるのか」「左脳ないのにエンジニアとか天才だな」「人体の神秘」「脳梗塞とかでも脳が半分駄目になっても、軽い麻痺くらいで済む人っているらしいからあり得ることなんだろう」などの声が寄せられた。
海外には、ほかにも脳がないことに気づかず、日常生活を送っていた男性がいる。
2007年7月、『New Scientist』は、CTスキャンにより、フランスに住む当時44歳の男性の脳が50−75%欠損していることが分かったと報じた。男性は、左足に軽い脱力感があり、病院を訪れたそうだ。病歴チェックにより、男性は幼児期に水頭症を患い、頭から管を通して頭に溜まった水を排出していたことが判明。14歳でこの管を外すことになったものの、その後も頭の中に水が溜まっていったことが脳の委縮化の原因とみられているようだ。男性は自分の脳の欠損には気づいていなかった。また、男性は結婚して2人の子供もおり、公務員として問題なく勤務しているという。一般人の平均IQが100であるのに対し、男性のIQはこれを下回る75であるそうだが、日常生活には問題がないという。
脳が欠損していても日常生活に支障がない人は、実際に存在する。人体にはまだまだ神秘的な謎が多い。
記事内の引用について
Doctors are stunned to discover that 60-year-old ex-soldier has lived all his life 'with only HALF a brain' (Mail Online)より
https://www.dailymail.co.uk/health/article-7240471/Father-60-living-just-HALF-brain-despite-having-normal-life.html
Man with tiny brain shocks doctors(New Scientist)より
https://www.newscientist.com/article/dn12301-man-with-tiny-brain-shocks-doctors/