海外ニュースサイト『ABC News』が3月5日に報道した内容によると、スキー場で父親と一緒にリフトに乗っていた8歳男児が、リフトから足を踏み外してしまい、しばらくの間、宙づりになってしまったそうだ。その際に撮影された動画も公開されているが、ベンチに付いているのは緩そうな安全バーのみで、8歳ほどの子供ならば簡単にすり抜け、落ちてしまいそうだった。8歳男児が宙づりになったときのリフトの高さは地上約6メートルで、父親が身を乗り出し、片腕でなんとか支えているだけの状態。一刻を争う状況が続いたという。
同記事で公開されている動画を見ると、周りには子供たち以上に多くの大人もいたようだが、大人らは何もできずあたふたとしていた。そこでとっさの行動に出たのが、仲良しグループでスキーに来ていた13〜14歳の少年5人だ。少年らは素早く近くにあったネットのフェンスを手に取って8歳男児の下に駆け寄り、「スキー板を外してここに飛び降りて」と促したという。
8歳男児は、スキー板を外すことはできたものの、恐怖のあまり飛び降りることに躊躇していた。だが、少年らが「僕たちを信じて飛び降りて!」と励まし続けたことで、男児はジャンプに成功。少年らは見事にキャッチしたそうだ。救出までにどれくらいの時間を要したかは報じられていないが、男児にとっては、とても長く恐ろしい時間だっただろう。幸いにも男児にけがはなく、救助した少年らも「アイデアが浮かんだおかげで素早く救助ができてよかった」と語っているという。
このニュースはSNSで拡散され、世界中から「これは私が見てきた中で一番勇敢な行動」「なんて知的で勇敢な子供たちなんだ。彼らは英雄だ」「こんな現実があってうれしいよ。愛と思いやりにあふれた温かいニュース」「素晴らしい!私も何か人を助けられる人間になりたい」などと称賛する声が多数寄せられた。
他にも海外では勇敢なティーンエージャーたちがいる。
2009年3月には、フランスで誘拐されそうになったクラスメイトを当時8歳の少女が助け、話題になった。少女は誘拐犯にパンチを浴びせてクラスメイトを救い、自身もクラスメイトも無事だったという。また、2018年12月には、アメリカ・ミネソタ州で11歳の少年がプールで溺れていた34歳の男性を救い、称賛を浴びた。男性は少年の2倍もの体重があったそうだが、少年は無我夢中で男性をプールサイドに引き上げ、男性は一命をとりとめたという。
困った人を見てとっさに助けたいという、素直な子供心が勇敢な行動に結びついたのかもしれない。彼らの行動を知って、見習いたいと思った大人も多いのではないだろうか。